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数学・工学事典 / 数学 / 基礎数学 / 数と式の計算

多項式

単項式

いくつの数や文字をかけ合わせたものを \ommindex{単項式}{たんこうしき}といい, 単項式から数だけを取り出したものを, その単項式の \ommindex{係数}{けいすう}という。 1つの単項式について, かけ合わされている文字の個数を, その単項式の\ommindex{次数}{じすう}という。 2つ以上の文字を含む場合には, 特定の文字に着目して, それ以外の文字を数とみなすことがある。

多項式

単項式の和として表される式を \ommindex{多項式}{たこうしき}または\ommindex{整式}{せいしき}といい, 多項式に含まれる1つ1つの単項式を\ommindex{項}{こう}という。 単項式は, 項を1つだけ含む多項式である。 項のうち, 文字を含まないものを\ommindex{定数項}{ていすうこう}という。 定数項の次数は $0$ である。 多項式に含まれる単項式の次数のうち, もっとも大きいものをその多項式の次数という。

式の計算法則

% 多項式 $A$, $B$, $C$ について, 次の計算法則が成り立つ。 % \begin{enumerate} \item[(1)] 【交換法則】 $A+B=B+A, \quad AB=BA$ \item[(2)] 【結合法則】 $(A+B)+C=A+(B+C), \quad (AB)C=A(BC)$ \item[(3)] 【分配法則】 $A(B+C)=AB+AC$ \end{enumerate} % %

1つの文字についての多項式

1つの文字 $x$ だけを含む多項式を $x$ についての多項式といい, $A(x)$ などと表す。 $x$ についての $n$ 次多項式は % \[ A(x)=a_nx^n+a_{n-1}x^{n-1}+\cdots+a_1x+a_0 \] % と表される。 ここで, $a_k$ $(k=0,1,2,\ldots n)$ は $x^k$ の係数である。 多項式 $A(x)$ と数 $p$ に対して, $A(p)$ は, 多項式 $A(x)$ の $x$ に $p$ を代入して得られる値を意味する。

式の展開

1つの文字についての多項式を, 次数の高い順に並べることを \ommindex{降べきの順}{こうべきのじゅん}に整理するといい, 次数の低い順に並べることを \ommindex{昇べきの順}{しょうべきのじゅん}に整理するという。 分配法則にしたがって, 多項式の積を単項式の和として, 降べきの順または昇べきの順に整理することを, \ommindex{式の展開}{しきのてんかい}という。 次の\ommindex{展開公式}{てんかいこうしき}が成り立つ。 % \begin{enumerate} \item[(1)] $(a+b)^2=a^2+2ab+b^2$ \item[ ] $(a+b)^3=a^3+3a^2b+3ab^2+b^3$ \item[ ] $(a+b)^4=a^3+4a^3b+6a^2b^2+4ab^3+b^4$ \item[(2)] $(a-b)(a+b)=a^2-b^2$ \item[ ] $(a-b)(a^2+ab+b^2)=a^3-b^3$ \item[ ] $(a-b)(a^3+a^2b+ab^2+b^3)=a^4-b^4$ \item[(3)] $(a+b+c)^2=a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2ca$ \end{enumerate} %

応用例

  • 因数分解をしてみよう (基礎数学)