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数学・工学事典 / 数学 / 応用数学 / ラプラス変換

線形システム

線形システム

% $x(t)$ についての定数係数2階線形微分方程式 % \begin{align*} x''(t)+ax'(t)+bx(t)=r(t), \quad (x(0)=0,\ x'(0)=0) \end{align*} % を, 関数 $r(t)$ に解 $x(t)$ を対応させる仕組みと考えたとき, これを\ommindex{線形システム}{せんけいしすてむ}といい, $r(t)$ を\ommindex{入力}{にゅうりょく}, $x(t)$ を\ommindex{応答}{おうとう}という。 $\Lap{x(t)}=X(s)$, $\Lap{r(t)}=R(s)$ とし, % \begin{align*} F(s)=\frac{1}{s^2+as+b}, \quad f(t)=\Lapinv{F(s)} \end{align*} % とすると $X(s)=F(s)R(s)$ となるから, これを逆ラプラス変換すると % \begin{align*} x(t)=f(t)\ast r(t) \end{align*} % が得られる。 $F(s)$ は $R(s)$ に $X(s)$ を対応する役割を果たしており, $F(s)$ をこの線形システムの\ommindex{伝達関数}{でんたつかんすう}という。 %

インパルス応答

% 入力がデルタ関数 $\delta(t)$ である線形システム % \begin{align*} x''(t)+ax'(t)+bx(t)=\delta(t), \quad (x(0)=0,\ x'(0)=0) \end{align*} % の応答を\ommindex{インパルス応答}{いんぱるすおうとう}という。 インパルス応答を $x(t)$ とすれば % \begin{align*} x(t)=f(t)\ast \delta(t)=f(t) \end{align*} % となるから, インパルス応答は伝達関数 $F(s)$ を逆ラプラス変換したものである。 %

単位ステップ応答

% 入力が単位ステップ関数 $U(t)$ である線形システム % \begin{align*} x''(t)+ax'(t)+bx(t)=U(t), \quad (x(0)=0,\ x'(0)=0) \end{align*} % の応答を\ommindex{単位ステップ応答}{いんぱるすおうとう}という。 単位ステップ応答を $g(t)$ とすれば % \begin{align*} g(t)=f(t)\ast U(t)=\int_{0}^{t}f(\tau)\,d\tau \end{align*} % となるから, 単位ステップ応答はインパルス応答を積分することによって 求めることができる。 %

応用例

  • 多段CSTRのインパルス応答 (計測制御工学)
  • 1次遅れ系の周波数応答 (計測制御工学)