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例題集 / 物理 / 力学 / 万有引力

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難易度

万有引力による位置エネルギー

知識・記憶レベル   難易度:
質量 $M$ と $m$ の物体が, それぞれ原点 O と点 A$(x,y,z)$ に置かれている。 点 A の位置ベクトルを $\vt{r}$ とすれば, 質量 $m$ の物体がもつ 万有引力の位置エネルギーは % \begin{align*} U(x,y,z)=-\frac{GMm}{r} \end{align*} % で与えられる。 ただし, $r=\left|\vt{r}\right|=\sqrt{x^2+y^2+z^2}$ である。 このとき, 質量 $m$ の物体に働く万有引力の式を導出せよ。

解答例・解説

力の $x$ 成分は, 位置エネルギーの $x$ に関する\ommindex{偏導関数}{へんどうかんすう}であるから, % \begin{align*} F_x &= -\frac{\partial U}{\partial x} \\ &= -\frac{dU}{dr}\cdot \frac{\partial r}{\partial x} \\ &= -\frac{d}{dr}\left(-\frac{GMm}{r}\right) \cdot \frac{\partial }{\partial x}\left(\sqrt{x^2+y^2+z^2}\right) \\ &= -\frac{GMm}{r^2}\cdot \frac{1}{\,2\,}\left(x^2+y^2+z^2\right)^{-\frac{1}{2}}\cdot 2x \\ &= -\frac{GMmx}{r^3} \end{align*} % となる。 同様にして, $y$ 成分と $z$ 成分は, % \begin{align*} F_y=-\frac{GMmy}{r^3}, \quad F_z=-\frac{GMmz}{r^3} \end{align*} % となる。 したがって, 求める\ommindex{万有引力}{ばんゆういんりょく}の式 % \begin{align*} \vt{F} &=F_x\vt{i}+F_y\vt{j}+F_z\vt{k} \\ &= -\frac{GMm}{r^3}( x\,\vt{i}+y\,\vt{j}+z\,\vt{k} ) \\ &= -\frac{GMm}{r^2}\cdot \frac{\vt{r}}{r} \end{align*} % が得られる。

人工衛星の周期

知識・記憶レベル   難易度:
半径 $R\,\,\left[\textrm{m}\right]$ の 円軌道をまわる人工衛星の周期 $T\,\,\left[\textrm{s}\right]$ を求めよ。 ただし, 地球の質量を $M\,\,\left[\textrm{kg}\right]$, 万有引力の定数を $G\,\,\left[\textrm{m}^3/\textrm{kgs}^2\right]$ とせよ。

解答例・解説

半径 $R\,\,\left[\textrm{m}\right]$, 角速度 $\omega\,\,\left[\textrm{1}/\textrm{s}\right]$ で 等速円運動を行う 人工衛星の位置ベクトルを $\boldsymbol{r}$ とする。 この円運動を行うために必要は向心力の大きさを $F$ とすれば, % \begin{align*} F=\frac{4\pi^2 m R}{T^2}\,\,\left[\textrm{N}\right] \end{align*} % である(\reff{円運動}{円運動})。 この力の大きさが, 地球による重力の大きさに一致しなければならない。 したがって, 万有引力の法則によって, % \begin{align*} \frac{4\pi^2 m R}{T^2}=\frac{GMm}{R^2} \end{align*} % が成り立つ(\reff{万有引力}{万有引力})。 これを周期 $T$ について解くことによって % \begin{align*} T=2\pi\sqrt{\frac{R^3}{GM}}\,\,\left[\textrm{s}\right] \end{align*} % が得られる。