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例題集 / 建築 / 建築環境工学 / 光環境

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難易度

点音源の照度計算

知識・記憶レベル   難易度:
床上 3 $\left[\textrm{m}\right]$の高さに点光源が吊るされている。光源の真下から斜め 30° 方向の床上の P 点における水平面照度 $E$ を求めよ。ただし,光源の光度 $I$ = 1,500 $\left[\textrm{cd}\right]$とする。

解答例・解説

光源の鉛直下方向から受照点 P までの角度を $θ$ とすると、受照点 P の照度 $E\ \left[\textrm{lx}\right]$ は照度の逆二乗則により,光度 $I\ \left[\textrm{cd}\right]$ と受照点 P の照度の関係は % \begin{equation} E=\frac{I\cosθ}{r^2} \end{equation} % で表される。 ここで,光源から受照点 P までの距離 $r\ \left[\textrm{m}\right]$ は\reff{三角関数}により, % \begin{equation} \cosθ=\frac{3}{r} \end{equation} % であるため,$r = 3/\cos30°$ となる。 したがって,求めるべき水平面照度 $E$ は % \begin{equation} E=\frac{I\cos 30°}{(3/\cos 30°)^2} =\frac{I\cos^3 30°}{3^2} \approx {108}\ \left[\textrm{lx}\right] \end{equation} % となる。

線光源の照度計算

知識・記憶レベル   難易度: ★★
図のような位置関係にある長さ $x \left[\textrm{m}\right]$の線光源による P 点の水平面照度 $E_h$ を求めよ。ただし,線光源は完全拡散であり,軸に直行する方向への光度 $I_n$ とする。 %=image:/media/2014/01/25/139061287457024900.png:

解答例・解説

線光源の微小長さを $dx$ としてそれを点光源とみなす。そこから発せられる光が線光源の長さ分だけ,P 点に影響を与えていると考える。 ここで、$\angle$OP$dx$を $θ$ とおくと、微小長さ $dx$ から P 点に向かう光度 $I_θ$ は 三角関数により$I_n\cosθ$であり、また $dx$ は $x=r_n\tanθ$ より $θ$ で微分して、$dx=r_n/\cos^2θdθ$と表すことができる。 これらを用いてP 点における $dx$ 方向の法線面照度 $dE_n$を求めると次式となる。 \begin{equation} dE_n=\frac{I_θ\cosθdx}{r_θ^2} =\frac{I_n\cosθ\cosθdx}{(r_n/\cosθ)^2}=\frac{I_n\cos^2θdθ}{r_n} \end{equation} これを線光源の長さ分積分して求めれば、 \begin{equation} E_n=\int_0^θ\frac{I_n\cos^2θ}{r_n}dθ \end{equation} となる。これを2倍角の公式を使って変形すると、 \begin{equation} E_n=\frac{I_n}{2r_n}\int_0^θ{(1+\cos2θ)}dθ=\frac{I_n}{2r_n}\biggl[θ+\frac{\sin2θ}{2}\biggl]_0^θ=\frac{I_n}{2r_n}\bigl[θ+\sinθ\cosθ\bigl]_0^θ \end{equation} とあらわせる。 ここで、$θ$ を $x$ と $r_n$ を三角関数を使って表すと \begin{equation} θ=\frac{I_n}{2r_n}\biggl[\tan^{-1}\frac{x}{r_n}+\frac{xr_n}{x^2+r_n^2}\biggl]_0^θ \end{equation} であるから、 \begin{equation} E_n=\frac{I_n}{2r_n}\biggl( \tan^{-1}\frac{x}{r_n}+\frac{xr_n}{x^2+r_n^2}\biggl) \end{equation} となる。したがって、求める水平面照度 $E_h$ は、 \begin{equation} E_h=E_n\cosβ \end{equation} で得られる。