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例題集 / 機械 / 伝熱工学(V-A-4 熱流体) / 伝導伝熱

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難易度

伝導伝熱(1) フーリエの式

理解レベル   難易度: ★★
厚さ$90\ \rm{mm}$の鉄製の壁があり,その内側の表面温度が$50\rm{^\circ C}$,外側の表面温度が$5\rm{^\circ C}$であるとき,次の問いに答えよ.ただし,鉄の熱伝導率は,$54\ \rm{W/(m\cdot K)}$とし,熱伝導は厚み方向のみに起こるものとする. $(1)$ 壁の広さ$1.5\ \rm{m^2}$を通過する単位時間当たりの熱流量[W]を求めよ. $(2)$ この壁の内側表面から厚さ方向に$60\ \rm{mm}$入った位置の温度$\rm[^\circ C]$を求めよ.

解答例・解説

$(1)$ \[ \begin{align} \frac{50-5}{0.09}\times54\times1.5&=40500\\ &=\underline{40500\ \rm{W}} \end{align} \] $(2)$ \[ \begin{align} \frac{5-50}{0.09}\times0.06+50&=20\\ &=\underline{20\rm{^\circ C}} \end{align} \]

伝導伝熱(2) 多重平板の定常熱伝導

適用レベル   難易度: ★★★
図に示すような鉄板(厚み$30\,\rm{mm}$)と銅版(厚み$52\,\rm{mm}$)で,発熱量$60.9\,\rm{kW/m^2}$のヒーターをはさんだ物体があり,鉄板側の表面温度が$600^\circ \rm{C}$,銅版側の表面温度が$50^\rm\circ C$に維持されているとき,次の問いに答えよ. ただし,鉄板および銅版の熱伝導率は,それぞれ$54\, \rm W/(m\cdot K)$,$390\,\rm W/(m\cdot K)$であり,熱は厚み方向にしか流れないものとし,ヒーターの厚みは無視できるとする. %=image:/media/2015/01/15/142125719371610000.png: $(1)$ 図に示すように,$q_1,q_2$をそれぞれ鉄板および銅版中を流れる熱流束$[\rm kW/m^2]$(右方向を正)としたとき,両者に成り立つ関係を式で示せ. $(2)$ ヒーターの温度$[^\rm\circ C]$を求めよ. $(3)$ 鉄板および銅版を流れる熱流束$[\rm kW/m^2]$をそれぞれ求めよ.

解答例・解説

$(1)$ \[ q_2=q_1+60.9 \] $(2)$ ヒーターの温度を$T$で表すと \[ \begin{align} q_1&=\frac{(600-T)}{0.03}\times\frac{54}{1000}\\ q_2&=\frac{(T-50)}{0.052}\times\frac{390}{1000}\\\\ (1)の式に代入すると\ &\\ (600-T)\frac{54}{30}+60.9&=(T-50)\frac{390}{52}\\ \left(\frac{390}{52}+\frac{54}{30}\right)T&=\frac{600\times54}{30}+60.9+\frac{50\times390}{52}\\ \therefore T&=\underline{163} \end{align} \] $(3)$ \[ \begin{align} \frac{600-163}{0.03}\times\frac{54}{1000}&=\underline{786.6\, \rm{kW/m^2}}\\ \frac{163-50}{0.052}\times\frac{390}{1000}&=\underline{847.5\, \rm{kW/m^2}}\\ \end{align} \]

伝導伝熱(3) 定常熱伝導の温度分布

適用レベル   難易度: ★★★
図に示すように,高温熱源(温度$T_1$)と低温熱源(温度$T_2$)とが,長さ$L$の金属丸棒で接続されている. 丸棒の断面積$S$は両端で最も狭く,軸方向の中間位置で最も太くなった左右対称の形状である場合,この丸棒の軸方向の温度分布の様子を図中に描け. ただし,丸棒の断面内の温度は均一であり,丸棒の表面から周囲(外界)への熱の逃げはない. また,丸棒の熱伝導率は一様であるとする. なお,温度分布を描く際には,図中の補助線を参考にせよ. %=image:/media/2015/01/15/142125725163866200.png:

解答例・解説

%=image:/media/2015/01/15/142125734521808300.png:

伝導伝熱(4) 熱通過

適用レベル   難易度: ★★★
厚さ$96\,\rm{mm}$のコンクリート壁(熱伝導率$1.2\,\rm W/(m\cdot K)$)に囲まれた部屋がある.この壁と室内空気との間,および壁と外気の間の熱伝達率が,それぞれ$5\,\rm W/(m^2\cdot K)$,$20\,\rm W/(m^2\cdot K)$であるとき,次の問いに答えよ. $(1)$ 室内外の熱通過率$U[\rm W/(m^2\cdot K)]$を求めよ. $(2)$ この内壁に板を貼り付けて通過熱流量を$1/2$にしたい.板材の熱伝導率を$0.069\rm \ W/(m\cdot K)$としたとき,板材に必要な厚さ$\delta \rm[m]$を求めよ.

解答例・解説

$(1)$ \[ \begin{align} U&=\frac{1}{\frac{1}{5}+\frac{0.096}{1.2}+\frac{1}{20}}\\ &=\underline{3.03\, \rm{W/(m\cdot K)}} \end{align} \] $(2)$ \[ \begin{align} \frac{1}{\frac{1}{5}+\frac{0.096}{1.2}+\frac{1}{20}}&=\frac{2}{\frac{1}{5}+\frac{0.096}{1.2}+\frac{\delta}{0.069}+\frac{1}{20}}\\ \frac{\delta}{0.069}&=\frac{1}{5}+\frac{0.096}{1.2}+\frac{1}{20}\\ \delta&=0.069\left(\frac{1}{5}+\frac{0.096}{1.2}+\frac{1}{20}\right)\\ &=0.02277=\underline{0.0228\, \rm{m}} \end{align} \]