例題集

熱力学の第二法則(3) カルノーサイクル

理解レベル   難易度: ★★
次の問いはカルノーサイクルの熱効率を導出するのに必要な事項である. 問いに答えよ. $(1)$ 温度$T$の等温変化のもとで,系の容積が$V_1$から$V_2$まで変化するときの受熱量$Q$を求めよ. ただし動作流体は質量$m$,ガス定数$R$の理想気体とする. $(2)$ 状態$1 \ (p_1,V_1, T_1)$から状態$2 \ (p_2,V_2, T_2)$に断熱変化するときの温度$( T_1, T_2)$と容積$(V_1, V_2)$の関係を求めよ. ただし,作動ガスの比熱比を$\kappa$とする.
$(1)$ 等温だから \[ pV=mRT \ (一定) \ \Longrightarrow \ p=\frac{mRT}{V} \] \[ Q=W_{12}= \int_{V_1}^{V_2}pdV =mRT \int_{V_1}^{V_2} \frac{dV}{V} \\ = mRT \ln \frac{V_2}{V_1} \] $(2)$ \[ \begin{align} &\left\{\begin{array}{cc} p_1 V_1^\kappa = p_2 V_2^\kappa \\ p_1 V_1= mRT_1 \\ p_2 V_2 = mRT_2 \end{array}\right. \end{align} \] \[ mRT_1 V_1^{\kappa-1} = mRT_2 V_2^{\kappa-1} \\ \frac{T_2}{T_1} = \left( \frac{V_1}{V_2} \right) ^{\kappa-1} \]