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数学・工学事典 / 数学 / 基礎数学 / 図形と式
極座標
極座標
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角 $\theta$ に対する動径と,
原点を中心とする半径 $r$ との交点 P の位置を,
$(r,\theta)$ と表すとき,
これを点 P の\ommindex{極座標}{きょくざひょう}という。
極座標が定められた平面を
\ommindex{極座標平面}{きょくざひょうへいめん}といい,
極座標平面では原点を\ommindex{極}{きょく},
$x$ 軸の正の部分を\ommindex{始線}{しせん}という。
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極方程式
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極座標平面上の点 P$(r,\theta)$において,
$r$ が$\theta$ の関数として $r=f(\theta)$ と表されているとする。
このとき,
$\theta$ の値が変化すると,
点 P$(r,\theta)$ の原点からの距離 $\text{OP}=r$ が変化し,
点 P は平面上の曲線を描く。
$r=f(\theta)$ をこの曲線の
\ommindex{極方程式}{きょくほうていしき}という。
より一般に,
ある曲線上の点が満たす条件を $r$ と $\theta$ の
関係式として表したものも含めて極方程式という。
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\begin{enumerate}
\item[(1)]
原点を中心とする半径 $a$ の円の極方程式は
$r=a$ である。
\item[(2)]
原点Oを始点とし
始線 OX となす角が $\alpha$ であるような半直線の極方程式は
$\theta =\alpha$ である。
\end{enumerate}
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螺旋
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$f(\theta)$ が $f(\theta)$ を満たす単調関数であるとき,
極方程式 $r=f(\theta)$ が表す曲線は,
回転とともに極からの距離が増加または減少し続けていく。
このような性質をもつ曲線を\ommindex{螺旋}{らせん}という。
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\begin{enumerate}
\item[(1)]
$a$, $b$ を $a\ge 0$,
$b\ge 0$ を満たす定数とするとき,
極方程式 $r=a+b\theta$ $(\theta\ge 0)$ で表される
曲線を\ommindex{アルキメデスの螺旋}{あるきめですのらせん}という。
\item[(2)]
$a$, $b$ が正の定数のとき,
極方程式 $r=a e^{b\theta}$ で表される螺旋を
\ommindex{等角螺旋}{とうかくらせん}
または\ommindex{対数螺旋}{たいすうらせん}という。
等角螺旋 C 上の点を P とすると,
P における C の接線と,
動径 OP のなす角は常に一定である。
\end{enumerate}
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次の図はアルキメデスの螺旋 $r=1+\theta$ および等角螺旋 $1+e^{\frac{\theta}{\,2\,}}$ である。
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カージオイド
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$a$を正の定数とする。
半径が $a$ である円 C の外部を,
同じ大きさの円 C$_0$ が滑らずに1周するとき,
円周上の点 P が描く図形を\ommindex{カージオイド}{かーじおいど}
または\ommindex{心臓形}{しんぞうけい}という。
円 C が極座標で $(a,0)$ を中心とする半径 $a$ の円であり,
出発点において,
円 C$_0$ の中心が $(3a,0)$,
点 P が $(4a,0)$ の位置にあるとき,
点が P 描くカージオイドの極方程式は
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\begin{align*}
r=2a(1+\cos{\theta})
\end{align*}
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となる。
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