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数学・工学事典 / 数学 / 基礎数学 / 場合の数
場合の数
場合の数
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あることがらの,
起こりうる場合が何通りあるかということを,
\ommindex{場合の数}{ばあいのかず}という。
2つのことがら A,
B が同時に起こることはなく,
A の場合の数が $m$ 通り,
B の場合の数が $n$ 通りであるとき,
A または B が起こる場合の数は $m+n$ 通りである。
これを\ommindex{和の法則}{わのほうそく}という。
2つのことがら A, B があって,
A の場合の数が $m$ 通りであり,
そのおのおのの場合について,
B の場合の数が $n$ 通りずつあるとき,
A に引き続いて B が起こる場合の数は $mn$ 通りである。
これを\ommindex{積の法則}{せきのほうそく}という。
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順列
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$n$ 個の異なるものの中から $r$ 個を選んで1列に並べることを
\ommindex{順列}{じゅんれつ}といい,
その場合の数を ${}_{n}\text{P}_{r}$ で表す。
$n$ 個の異なるものを1列に並べる場合の数 ${}_{n}\text{P}_{n}$ について,
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\begin{align*}
{}_{n}\text{P}_{n}=n(n-1)(n-2)\cdots 2\cdots 1
\end{align*}
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が成り立つ。
この式の右辺を $n$ の\ommindex{階乗}{かいじょう}といい,
$n!$ で表す。
この記号を用いると,
$n$ 個の異なるものの中から $r$ 個を選んで1列に並べる場合の数は
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\begin{align*}
{}_{n}\text{P}_{r}
=
\frac{n!}{r!}
=
n\cdot (n-1)\cdot (n-2)\cdots (n-r+1)
\end{align*}
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となる。
$n$ 個の異なるものを円形状に配置することを
\ommindex{円順列}{えんじゅんれつ}という。
円順列の場合の数は
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\begin{align*}
(n-1)!
\end{align*}
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である。
ものを選ぶとき,
同じものをいくつ選んでもよいことを
\ommindex{重複を許す}{ちょうふくをゆるす}という。
$n$ 個の異なるものから重複を許して $r$ 選び,
1列に並べることを
\ommindex{重複順列}{ちょうふくじゅんれつ}といい,
その場合の数を ${}_{n}\Pi_{r}$ で表す。
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\begin{align*}
{}_{n}\Pi_{r}=n^r
\end{align*}
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が成り立つ。
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組合せ
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$n$ 個の異なるものの中から $r$ 個を選ぶことを
\ommindex{組合せ}{くみあわせ}といい,
その場合の数を ${}_{n}\text{C}_{r}$ で表す。
$n$ 個の異なるものの中から $r$ 個を選ぶ
場合の数 ${}_{n}\text{C}_{r}$ について,
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\begin{align*}
{}_{n}\text{C}_{r}
=
\frac{n(n-1)(n-2)\cdots 2\cdots 1}{r(r-1)(r-2)\cdots 2\cdot 1}
=
\frac{n!}{r!(n-r)!}
\end{align*}
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が成り立つ。
$n$ 個の異なるものの中から $r$ 個を選ぶ組合せは,
それぞれ $r$ 個, $n-r$ 個ずつ,
合計 $n$ 個の2種類のものを1列に並べることと同じである。
一般に,
それぞれ $p$ 個, $q$ 個, $\ldots$, $r$ 個ずつ異なるものがあり,
それらの個数の合計を $n$ とするとき,
それらを1列に並べる場合の数は
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\begin{align*}
\frac{n!}{p!q!\cdots r!}
\end{align*}
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が成り立つ。
組合せの総数 ${}_{n}\text{C}_{r}$ について,
次の式が成り立つ。
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\begin{enumerate}
\item[(1)]
${}_{n}\text{C}_{0}={}_{n}\text{C}_{n}=1$
\item[(2)]
${}_{n}\text{C}_{n-r}={}_{n}\text{C}_{r}$
\item[(3)]
${}_{n-1}\text{C}_{r-1}+{}_{n-1}\text{C}_{r}={}_{n}\text{C}_{r}$
\end{enumerate}
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二項定理
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$(a+b)^n$ の展開式について
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\begin{align*}
(a+b)^n
=
\sum_{r=0}^{n} {}_{n}\text{C}_{r}a^{n-1}b^{r}
\end{align*}
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が成り立つ。
これを\ommindex{二項定理}{にこうていり}という。
$(a+b)^n$ を次々に展開し,
その係数だけを右側に並べてみると
【図(未):パスカルの三角形】のような数の三角形ができる。
この三角形を\ommindex{パスカルの三角形}{ぱすかるのさんかくけい}という。
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