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例題集 / 機械 / 流れ学 (V-A-4 熱流体) / 流体の動力学

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難易度

流体の動力学(1) 流体の運動

知識・記憶レベル   難易度:
次の記述の$( \ \ \ \ \ \ \ )$内に入る語句を答えよ.  ガラス円管内に水を流すことを考える. このとき,流速が比較的早い場合には渦が発生し,不規則な流れとなる. この流れを$( \ 1 \ )$という. 一方,流速が比較的遅い場合には,細い管から色素融液を線状にして流すと,管軸に平行な一筋の線となる. この流れを$( \ 2 \ )$という.  流れ場において,流れに沿ったひとつの曲線を考え,その接線の方向が速度ベクトルの方向と一致するような曲線を$( \ 3 \ )$という. 定常流においては,流体粒子の軌跡は$( \ 3 \ )$と一致するが,$( \ 4 \ )$においては,流れの形状が時間変化につれて変わるので流体粒子の軌跡は$( \ 3 \ )$と一致しない. この粒子の軌跡を$( \ 5 \ )$という.

解答例・解説

$( \ 1 \ )$ 乱流 $( \ 2 \ )$ 層流 $( \ 3 \ )$ 流線 $( \ 4 \ )$ 非定常流 $( \ 5 \ )$ 流跡線

流体の動力学(2) 連続の式

知識・記憶レベル   難易度:
定常流における連続の式を,流管の密度$\rho$,断面積$A$,流速$V$を用いて記述せよ.

解答例・解説

\[\rho AV=C\]

流体の動力学(3) 連続の式

適用レベル   難易度: ★★★
連続の式を導け. %=image:/media/2015/01/23/142194619591373700.png:

解答例・解説

左図の検査容積を参照して,断面図①から時間$dt$で流入する流量$m_1$は, \[ m_1=\dot{m}dt=\rho AVdt \ \ \ \cdots(1)' \] 一方,断面②から流出する流量$m_2$は, \[ m_2=m_1+\frac{\partial m_1}{\partial s}ds = \rho AVdt+\frac{\partial (\rho AV dt)}{\partial s}ds \ \ \ \cdots(2)' \] 時刻$t$における検査容積内の質量を$\rho Ads$としたとき,時刻$t+dt$における質量は \[ \rho Ads+\frac{\partial (\rho A ds)}{\partial t}dt \] であるので, 時間$dt$に対する検査容積への質量の蓄積量$dm$は, \[\begin{align} dm &=\rho Ads+\frac{\partial (\rho Ads)}{\partial t}dt-\rho Ads\\ &=\frac{\partial (\rho Ads)}{\partial t}dt \ \ \ \cdots(3)' \end{align}\] 質量保存則より,(流入する量)$-$(流出する量)$=$(蓄積量)であるから,式$(1)'$,$(2)'$,$(3)'$より, \[ \rho AVds-\left(\rho AVds + \frac{\partial (\rho AVdt)}{\partial s} ds\right)=\frac{\partial (\rho Ads)}{\partial t} dt\\ \frac{\partial (\rho Ads)}{\partial t} dt+\frac{\partial (\rho AVdt)}{\partial s} ds=0\\ \therefore \frac{\partial (\rho A)}{\partial t}+\frac{\partial (\rho AV)}{\partial s}=0 \ \ \ (一次元の連続の式) \] 特に定常流では, \[ \frac{\partial (\rho A)}{\partial t}=0 \ だから,\\ \frac{\partial (\rho AV)}{\partial s}=0 \] 両辺を$s$で積分して, \[ \rho AV=C \ \ \ (連続の式) \] さらに非圧縮性流体では,$\rho=$一定であるから, \[ AV=C \] %=image:/media/2015/01/15/142125875516650300.png:

流体の動力学(4) 連続の式

理解レベル   難易度: ★★
図に示すように,内径$d_1=300\,\rm{mm}$の円管①と,内径$d_2=200\,\rm{mm}$の円管②とを連結した異径管がある. この異径管の内部を流れる流体の流量$Q=8.5\,\rm{m^3/min}$としたとき,円管①における流速$V_1$と円管②における流速$V_2$を求めよ.ただし.流れは非圧縮性の定常流とする. %=image:/media/2015/01/15/142125803983589500.png:

解答例・解説

\[Q=8.5\,\rm{m^3/min}=\frac{8.5}{60}\,\rm{m^3/s}=0.14166\] \[Q=\frac{\pi}{4}d_1^2V_1=\frac{\pi}{4}d^2_2V_2より\] \[V_1=\frac{4Q}{\pi d_1^2}=\frac{4\times0.14166}{\pi\times0.3^2}=2.00427=2.0\,\rm{m/s}\] \[V_2=\frac{4Q}{\pi d_2^2}=\frac{4\times0.14166}{\pi\times0.2^2}=4.50939=4.5\,\rm{m/s}\]

流体の動力学(5) ベルヌーイの定理

知識・記憶レベル   難易度:
密度$\rho$の流体の圧力を$p$,速度を$V$,位置を$z$,重力加速度を$g$としてベルヌーイの定理を記述せよ.

解答例・解説

\[\frac{p}{\rho}+\frac{V^2}{2}+gz=C\]

流体の動力学(6) オイラーの運動方程式とベルヌーイの定理

適用レベル   難易度: ★★★
図に示すように,流線$s(t)$に沿った長さ$ds$,断面積$A$の微小な円柱形の流体要素を考える. 図中の$\rho(s,t)$は密度,$p(s,t)$は圧力,$V(s,t)$は流速,$z(s,t)$は鉛直方向座標,$t$は時間,$\theta$は水平面と$v$のなす角を表す. 流体の粘性によるせん断力は働かないもの(非粘性流体)とする. %=image:/media/2015/02/03/142289475276285800.png: $(1)$ この流体要素に働く流線方向の外力$F$を記述せよ. $(2)$ 流線方向のニュートンの運動方程式を立てて,オイラーの運動方程式を導け. $(3)$ 非圧縮性の定常流れを仮定して,オイラーの運動方程式からベルヌーイの定理を導け.

解答例・解説

$(1)$ 流体要素に働く流線方向の全圧力$fp$は,断面①に働く全圧力と断面②に働く全圧力の和として求まる.(偏導関数とテーラー展開) \[\begin{align} f_p &=pA+\left\{-\left(p+\frac{\partial p}{\partial s} ds \right)A \right\}\\ &=-A\frac{\partial p}{\partial s} ds \end{align}\] 一方,流体要素に働く重力$mg=\rho gAds$の流線方向成分$f_w$は三角関数より次のように求まる. \[\begin{align} f_w &=-\rho g Ads \cdot \sin\theta\\ &=-\rho gAds\cdot\frac{\partial z}{\partial s} \end{align}\] したがって,流線方向の外力$F$は, \[\begin{align} F &=f_p+f_w\\ &=-A\frac{\partial p}{\partial s}ds-\rho gAds\cdot\frac{\partial z}{\partial s} \ \ \cdots(1)' \end{align}\] $(2)$ 加速度$a$の定義より, \[\begin{align} a &=\frac{dV(s,t)}{dt}\\ &=\frac{\partial V}{\partial s}\cdot\frac{\partial s}{\partial t}+\frac{\partial V}{\partial t}\hspace{10mm} \left(合成関数の偏微分\right)\\ \\ &=V\frac{\partial V}{\partial s}+\frac{\partial V}{\partial t} \hspace{10mm} \left( \therefore V=\frac{ds}{dt} \ 速度の定義\right) \\ &=\frac{1}{2}\cdot \frac{\partial \left(V^2\right)}{\partial s}+\frac{\partial V}{\partial t} \ \ \cdots(2)' \hspace{10mm} \left(\therefore \frac{\partial \left(V^2\right)}{\partial s}=2V\frac{\partial V}{\partial s} \ 合成関数の微分\right) \end{align} \] ニュートンの運動方程式より, \[ a=\frac{F}{m} \] 上式に式$(1)'$,式$(2)'$を代入し,$m=\rho Ads$として, \[ \frac{1}{2}\cdot \frac{\partial \left(V^2\right)}{\partial s}+\frac{\partial V}{\partial t}=\frac{-A\frac{\partial p}{\partial s}ds-\rho Ads\frac{\partial z}{\partial s}}{\rho Ads} \] 整理してオイラーの運動方程式が求まる. \[ \frac{1}{\rho}\cdot\frac{\partial \left(V^2 \right)}{\partial s}+\frac{1}{2}\cdot \frac{\partial \left(V^2\right)}{\partial s}+\frac{\partial V}{\partial t}+g\frac{\partial z}{\partial s}=0 \] $(3)$ 定常流れを仮定すると, \[\frac{\partial V}{\partial t}=0 ,および\frac{\partial p}{\partial t}=0,\frac{\partial z}{\partial t}=0 \] である. 非圧縮性流体であることから$\rho=$一定として,オイラーの運動方程式の両辺を変数$s$で積分して, \[ \frac{1}{\rho}\int\frac{\partial p}{\partial s}ds+\frac{1}{2}\int\frac{\partial \left(V^2\right)}{\partial s}ds+g\int\frac{\partial z}{\partial s}=\int 0ds\\ \frac{1}{\rho}\int dp+\frac{1}{2}\int d\left(V^2\right)+g\int dz=C \hspace{10mm} \left(Cは積分定数\right) \] 最終的にベルヌーイの定理を得る. \[ \frac{p}{\rho}+\frac{V^2}{2}+gz=C \]

流体の動力学(7) 圧縮性流体の運動方程式

適用レベル   難易度: ★★★
流体の密度$\rho$,圧力$p$,流速$V$,位置ヘッド$z$,重力加速度$g$,比熱比$\kappa$として次の設問に答えよ. $(1)$ オイラーの運動方程式を記述せよ. $(2)$ 断熱変化に対する圧力$p$と密度$\rho$との関係式を記述せよ. $(3)$ オイラーの運動方程式において,気体の状態が断熱変化で定常流と考えられる場合について,圧縮性流体に関する運動方程式を求めよ.

解答例・解説

$(1)$ \[\frac{1}{\rho}\frac{\partial p}{\partial s}+\frac{1}{2}\frac{\partial (V^2)}{\partial s}+\frac{\partial V}{\partial t}+g\frac{\partial z}{\partial s}=0\] $(2)$ \[pv^\kappa=Cより\] \[p(\frac{1}{\rho})^\kappa=C\] \[p\rho^{-\kappa}=C\] $(3)$ 定常だから \[\frac{1}{\rho}\frac{\partial p}{\partial s}+\frac{1}{2}\frac{\partial (V^2)}{as}+g\frac{\partial z}{\partial s}=0\\ p\rho^{-\kappa}=Cより\\ \frac{1}{\rho}=C'p^{\frac{1}{\kappa}}\\ C'=\frac{p^{\frac{1}{\kappa}}}{\rho} \] \[\therefore C'\int{p^{-\frac{1}{\kappa}}}dp+\frac{1}{2}\int dV^2+g\int dz=C\] \[ C'\frac{1}{1+\frac{1}{\kappa}}p^{1+\frac{1}{\kappa}}+\frac{V^2}{2}+gz=C\\ C'\frac{\kappa}{\kappa+1}p^{\frac{\kappa+1}{\kappa}}+\frac{V^2}{2}+gz=C\\ \frac{p^{-\frac{1}{\kappa}}}{\rho}\frac{\kappa}{\kappa+1}p^{\frac{\kappa+1}{\kappa}}+\frac{V^2}{2}+gz=C\\ \frac{\kappa}{\kappa+1}\frac{p}{\rho}+\frac{V^2}{2}+gz=C\\ \]

流体の動力学(8) ピトー管

理解レベル   難易度: ★★
図に示すように,気流中(空気の流れの中)にピトー管がおかれている.全圧と静圧の差圧を測定したところ,水柱$h$であった. 図中の記号を利用して下記の問いに答えよ. %=image:/media/2015/01/15/142125810262038200.png: $(1)$ 気流$\rm{A}$とよどみ点$\rm{B}$の間にベルヌーイの式をたてよ. $(2)$ $\rm{C--D}$における圧力のつり合い式をたてよ. $(3)$ 上の式を解いて,気流の速度$V_A$を求めよ.ただし,最終的にピトー管係数を$k$とおいて$V_A$を表現せよ.

解答例・解説

$(1)$ \[\frac{p_A}{\rho}+\frac{V_A^2}{2}=\frac{p_B}{\rho}\] $(2)$ \[p_A+\rho_wgh=p_B+\rho gh\] $(3)$ \[(1)より\hspace{10mm}p_A-p_B=-\frac{\rho}{2}V_A^2\ \ \ \cdots (1)'\] \[(2)より\hspace{10mm}p_A-p_B=(\rho-\rho_w)\rho h\ \ \ \cdots (2)'\] \[ \begin{align} (1)',(2)'より \ \ \ -\frac{\rho}{2}V_A^2&=(\rho-\rho_w)gh\\ V_A^2&=2gh\frac{\rho_w-\rho}{\rho}\\ V_A&=\sqrt{2gh\frac{\rho_w-\rho}{\rho}}\end{align} \] \[\therefore V_A=k\sqrt{2gh(\frac{\rho _w}{\rho}-1)}\]

流体の動力学(10) ベンチュリ管

適用レベル   難易度: ★★★
図に示すようなベンチュリ管の中を水が流れている. 絞り部の上流側①とのど部②との圧力差が水銀柱$h$であった. 断面①の面積を$A_1$,断面②の面積$A_2$,水の密度を$\rho_w$,水銀の密度を$\rho_m$として,管内に流れる理論体積流量$Q$が次式で表現されることを示せ. ただし,損失は無視してよい. \[Q=\frac{A_2}{\sqrt{1-(\frac{A_2}{A_1})^2}}\sqrt{2gh(\frac{\rho_m}{\rho_w}-1)}\] \[またはQ=\frac{A_1}{\sqrt{(\frac{A_1}{A_2})^2-1}}\sqrt{2gh(\frac{\rho_m}{\rho_w}-1)}\] %=image:/media/2015/01/15/142125813480672800.png: $(1)$ 断面①の流速を$V_1$と断面②の流速を$V_2$とおいて,①と②の間の連続の式を記述せよ. $(2)$ 同じく$V_1$,$V_2$を用いて,①と②の間のベルヌーイの式を記述せよ. $(3)$ マノメータの$\rm{A-B}$面における圧力のつり合い式を記述せよ. $(4)$ 理論体積流量$Q$を求めよ.

解答例・解説

$(1)$ \[A_1V_1=A_2V_2=Q\] $(2)$ \[\frac{p_1}{\rho_w}+\frac{v_1^2}{2}=\frac{p_2}{s_w}+\frac{V_2^2}{2}\] $(3)$ \[p_1+\rho_wgh=p_2=\rho_mgh\] $(4)$ \[ (2)より\hspace{10mm}p_1-p_2=\frac{\rho_w}{2}(V_2^2-V_1^2) \hspace{10mm}\cdots(2)'\\ (3)より\hspace{10mm}p_1-p_2=(\rho_2^2-\rho_1^2)gh \hspace{10mm}\cdots(3)' \] \[(2)',(3)'より\hspace {10mm}(\rho_m-\rho_w)gh=\frac{\rho_w}{2}(V_2^2-V_1^2)\] \[(1)より\hspace {10mm}V_1=V_2\frac{A_2}{A_1}だから\\ (\rho_m-\rho_w)gh=\frac{\rho_w}{2}(V_2^2-\frac{A_2^2}{A_1^2}V_2^2)\] \[V_2^2=\frac{1}{1-(\frac{A_2}{A_1})^2}2gh\frac{\rho_g-\rho_w}{\rho_w}\\ V_2=\frac{1}{\sqrt{1-(\frac{A_2}{A_1})^2}}\sqrt{2gh(\frac{\rho_m}{\rho_w}-1)}\] \begin{align} \therefore Q&=A_2V_2=題意 \end{align}

流体の動力学(11) ポンプの揚程と水動力

理解レベル   難易度: ★★
図に示すように,内径の異なる二つの円管の間にポンプを設置して水を流動させている. 図中の円管②内の流速を$V_1=1.8\,\rm{m/s}$,円管②内の流速を$V_2=3.2\,\rm{m/s}$とし,ポンプ前後圧力がそれぞれ$P_1=98.1\,\rm{kPa}$,$p_2=343.0\,\rm{kPa}$であったとして,次の問いに答えよ. %=image:/media/2015/01/22/142185343233871400.png: $(1)$ このポンプの揚程$H$を求めよ. $(2)$流量$Q=3.6\,\rm{m^3/min}$として,このポンプの水動力$P$を求めよ.

解答例・解説

$(1)$ \[\frac{p_1}{\rho g}+\frac{V_1^2}{2g}+H=\frac{p_2}{\rho g}+\frac{V_2^2}{2g}\] \begin{align}H=\frac{p_2-p_1}{\rho g}+\frac{V_2^2-V_1^2}{2g}&=\frac{(343-98.1)\times10^3}{1000\times9.8}+\frac{3.2^2-1.8^2}{2\times9.8}\\ &=24.9898+0.3571\\ &=35.347\\ &=35.3\ \rm{m} \end{align} $(2)$ \begin{align}P&=\rho gQH\\ &=1000\times9.8\times0.06\times\\ &=14904\,\rm{W}\\ &=14.9\,\rm{kW}\end{align}

流体の動力学(12) 運動量の法則

知識・記憶レベル   難易度:
密度$\rho$,流量$Q$の流体が流れる場合において,流体が検査表面内の物体に及ぼす力を${\bf{F}}$,体積力を${\bf{F}}_m$,表面力を${\bf{F}}_5$,検査表面への流入速度${\bf{u}}_{in}$,検査表面からの流入速度を${\bf{u}}_{out}$として,運動量の法則を記述せよ.

解答例・解説

\[ -{\bf{F}}+{\bf{F}}_m+{\bf{F}}_s=\rho Q({\bf{u}}_{out}-{\bf{u}}_{in}) \]

流体の動力学(13) 衝動平板における運動量の法則

理解レベル   難易度: ★★
図のように速度$V$でノズルから噴出している液体が,大きな平板に垂直に衝突している. 噴流の断面積を$A$,液体の密度を$\rho$として,次の問いに答えよ. %=image:/media/2015/01/22/142185334611250600.png: $(1)$ 平板が固定されているものとして,噴流が固定平板に及ぼす力$F$を記述せよ. $(2)$ この平板が噴流と同じ方向に速度$V$で移動しているとして,平板に対する噴流の相対流量$Q’$,噴流がこの移動平板に及ぼす力$F’$,および動力$L$を記述せよ.

解答例・解説

$(1)$ \[F=\rho QV-0\\ Q=AV\\ \therefore F=\rho AV^2\] $(2)$ \[Q'=A(V-u)\\ F'=\rho Q'(V-u)=\rho A(V-u)^2\\ L=F'u+\rho A(V-u)^2u\]

流体の動力学(14) ジェットエンジンにおける運動量の法則

適用レベル   難易度: ★★★
ジェットエンジンを搭載した飛行機が,質量流量$G$の空気を取り入れ,速度$u$で飛行している. 次の問いに答えよ. %=image:/media/2015/01/15/142125830696318900.png: $(1)$ ジェットエンジンに対する排ガスの相対速度を$w$,取り入れた空気に対する燃料の質量割合を$x$として,動力$L$を記述せよ. $(2)$ $G=3\,\rm{kg/s}$,$u=150\,\rm{m/s}$,$w=700\,\rm{m/s}$,$x=1/30$として,動力$L$を求めよ.

解答例・解説

$(1)$ \[F=G_{out}w-G_{in}u=(1+x)Gw-Gu\] \[ \therefore L=Fu=Gu\left\{\left(1+x\right) w-u\right\} \] $(2)$ \begin{align}L&=3\times150\times\left\{\left(1+\frac{1}{30}\right)700-150\right\}\\ &=258000\\ &=258\,\rm{kW}\end{align}

流体の動力学(15) ロケットにおける運動量の法則

適用レベル   難易度: ★★★
容器内のゲージ圧力$p=0.15\,\rm{MPa}$として,水を噴射して発射されるペットボトルロケットがある. 噴出ノズルの直径を$d=16\,\rm{mm}$とするとき,ペットボトルロケットの推力を求めよ. ただし,水の密度$\rho=1000\,\rm{kg/m^3}$とする. %=image:/media/2015/01/15/142125833909396800.png:

解答例・解説

噴流の速度を$u$とすると ベルヌーイの式より \[\frac{p}{\rho}=\frac{u^2}{2}\rightarrow u^2=2\frac{p}{s}=2\frac{0.15\times10^6}{1000}=300\] 運動量の法則より \begin{align}F&=0-(-\rho Qu)=\rho Au^2=\rho\frac{\pi}{4}d^2u^2\\ &=1000\times\frac{\pi}{4}\times(0.016)^2\times300\\ &=60.32 \,\rm{N}\end{align} \[ \therefore 推力60.32\,\rm{N}\]

流体の動力学(16) 曲管における運動量の法則

適用レベル   難易度: ★★★
図に示すように,水平面内におかれた曲管がある. 断面①におけるゲージ圧力$p_1=300\,\rm{kPa}$,管の直径$d_1=300\,\rm{mm}$,断面②における管の直径$d_2=150\,\rm{mm}$とする. また,断面①における速度$V_1$と断面②における速度$V_2$とのなす角が$60^\circ$であり,曲管内には物量$Q=0.2\,\rm{m^3/s}$の水が流れている. 次の問いに答えよ. ただし,水の密度$\rho=1000\,\rm{kg/m^3}$とし,重力による影響や管内の摩擦損失は無視せよ. %=image:/media/2015/01/15/142126006227520200.png: $(1)$ 連続の式より,$V_1$と$V_2$を求めよ. $(2)$ ベルヌーイの式より,断面②でのゲージ圧力$p_2$を求めよ. $(3)$ 図中の検査容積(破線c.v.)を参考に運動量の法則を適用して,水が曲管に及ぼす$x$方向の力$F_x$ならびに$y$方向の力$F_y$を求めよ. $(4)$ 水が曲管に及ぼす力の大きさと$F$とその方向$\beta$を求めよ.

解答例・解説

$(1)$ \[A_1V_1=A_2V_2=Q\] \begin{align} V_1=\frac{Q}{A_1}=\frac{4Q}{\pi d_1^2}&=\frac{4\times0.2}{\pi\times0.3^2}\\ &=2.8294\\ &=2.83\,\rm{m/s} \end{align} \begin{align} V_2=\frac{4Q}{\pi d_2^2}&=\frac{4\times0.2}{\pi\times0.15^2}\\ &=11.318\\ &=11.32\,\rm{m/s}\end{align} $(2)$ \[ \frac{p_1}{\rho}+\frac{V_1^2}{2}=\frac{p_2}{\rho}+\frac{v_2^2}{2} \] \begin{align} p_2&=\frac{\rho}{2}(V_1^2-V_2^2)+p_1\\ &=\frac{1000}{2}(2.829^2-11.318^2)+300\times10^3\\ &=239953\\ &=240.0\,\rm{kpa} \end{align} $(3)$ \begin{align}F_x&=\rho QV_1-\rho QV_2\cos60^\circ +p_1\frac{\pi}{4}d_1^2-p_2\frac{\pi}{4}d_2^2\cos60^\circ \\ &=1000\times0.2\times(2.8294-11.318\cos60^\circ )\\ &+(300\times0.3^2-239.95\times0.15^2\times\cos60^\circ )\times\frac{\pi}{4}\times1000\\ &=18520\\ &=18.52\,\rm{kN} \end{align} \begin{align}F_y&=0-(-\rho QV_2\sin60^\circ )+P^2\frac{\pi}{4}d_2^2\sin60^\circ \\ &=1000\times0.2\times11.318\sin60^\circ \\ &+239.95\times1000\times\frac{\pi}{4}\times0.15^2\sin60^\circ \\ &=5632.5\\ &=5.63\,\rm{kN} \end{align} $(4)$ \begin{align}F=\sqrt{F_x^2+F_y^2}&=\sqrt{18.52^2+5.633^2}\\ &=19.36\rm{kN} \end{align} \begin{align}\beta=\tan^{-1}\frac{F_y}{F_x}&=\tan^{-1}\frac{5.633}{18.52}\\ &=16.92^\circ \end{align}

流体の動力学(17) 水車における運動量の法則

適用レベル   難易度: ★★★
図に示すように複数の平板羽根から構成される水車が,速度$V$,断面積$A$の噴流を受けて羽根は速度$u$で動いているものとする. 水の密度を$\rho$として次の設問に答えよ. $(1)$この水車に及ぼす水の力の大きさ$F$および水車の動力$L$を求めよ. %=image:/media/2015/01/22/142185301928212800.png: $(2)$ この水車の動力$L$が最大となる$u$と$V$の関係,および動力の最大値$L_{max}$と,このときの効率$\eta_{max}$を求めよ. $(3)$ 羽根形状は平板ではなく,下図に示すようなバケットからなるぺルトン水車であるとして,水車の動力$L$を求めよ. ただし,バケットからの流出角を$\beta$とする. %=image:/media/2015/01/22/142185294358656000.png: %=image:/media/2015/01/22/142185302101121600.png:

解答例・解説

$(1)$ \[\begin{align} F&=\rho Q\left(V-u\right)\\ &=\rho AV\left(V-u\right) \end{align}\] \[\begin{align} L&=Fu\\ &=\rho AVu\left(V-u\right) \end{align}\] $(2)$ $\frac{dL}{du}=0$のとき$L$は最大となるので \[\begin{align} \frac{dL}{du}&=\frac{d\left\{\rho AVu\left(V-u\right)\right\}}{du}+\rho AV\left\{V-u+u\cdot\left(-1\right)\right\}\\ &=\rho AV\left(V-2u\right) \end{align}\] \[\underline{\therefore \rho AV\left(V-2u\right)=0}\] $\rho AV\ne0$だから$V-2u=0 \ \Longrightarrow\ u=\frac{V}{2}$ \[ L_{max}=\rho AV\cdot\frac{V}{2}\left(V-\frac{V}{2}\right)=\frac{\rho AV^3}{4}\] \[ \eta_{max}=\frac{最大動力値}{流体の持つ運動エネルギ}=\frac{\frac{\rho AV^{3}}{4}}{\frac{\rho AV^3}{2}}=\frac{1}{2}=0.5 \hspace{10mm} \] $(3)$ \[\begin{align} F&=\rho Q\left(V-u-\left(-\left(V-u\right)\cos\beta\right)\right)\\ &= \rho Q\left(V-u\right)\left(1+\cos\beta\right)\\ &=\rho AV\left(V-u\right)\left(1+\cos\beta\right) \end{align}\] \[\begin{align} L&=Fu\\ &=\rho AVu\left(V-u\right)\left(1+\cos\beta\right) \end{align}\]

流体の動力学(18) 流体計測器

知識・記憶レベル   難易度:
$(a)$ %=image:/media/2015/01/07/142056337104424600.jpg: $(b)$ %=image:/media/2015/01/07/142056337104517900.jpg: $(c)$ %=image:/media/2015/01/07/142056337104604400.jpg: $(d)$ ANA所蔵 %=image:/media/2015/01/07/142056337104685400.jpg: $(e)$ %=image:/media/2015/01/07/142056337104766900.jpg:

解答例・解説

$(a)$ オリフィス,流量 $(b)$ ベンチュリ管,流量 $(c)$ ブルドン管,圧力 $(d)$ ピトー管,流速 $(e)$ マノメータ,圧力