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例題集 / 機械 / 熱力学 (V-A-4 熱流体) / 理想気体の性質と状態変化
理想気体の性質と状態変化(1) 理想気体の定義
知識・記憶レベル
難易度: ★
理想気体の記述として正しいものを全て選べ.
$(1)$
気体を構成する分子には重力や電磁気力などによる分子間力は働く.
$(2)$
気体を構成する分子には分子間力が働かない.
$(3)$
分子の大きさを無視する.
$(4)$
分子の大きさは分子量で決定される.
$(5)$
分子同士の衝突によって運動エネルギの一部が熱エネルギに変換される.
$(6)$
分子同士の衝突の前後で運動エネルギは保存される.
$(7)$
内部エネルギとエンタルピは温度と比容積に依存する.
$(8)$
内部エネルギとエンタルピは温度のみに依存する.
$(9)$
ボイルの法則ならびにシャルルの法則が成立する.
解答例・解説
$(2), (3), (6), (8), (9)$
理想気体の性質と状態変化(2) 理想気体の状態方程式
知識・記憶レベル
難易度: ★
圧力$p$,容積$V$,温度$T$,質量$m$,ガス定数$R$として理想気体の状態方程式を記述せよ.
理想気体の性質と状態変化(3) 理想気体の熱力学第一法則
知識・記憶レベル
難易度: ★
熱力学の第一法則として知られる次の式を,それぞれ,理想気体の準静的変化を仮定して,定容比熱$c_{\upsilon}$,定圧比熱$c_{p}$,温度$T$,圧力$p$,比容積$\upsilon$を用いて書き換えよ.
\[dq=du+dw\longrightarrow dq=\underline{\hspace{35mm}}\]
\[dq=dh+dl\longrightarrow dq=\underline{\hspace{35mm}}\]
解答例・解説
\[
dq=c_{\upsilon}dT+p d\upsilon
\]
\[
dq=c_{p}dT-\upsilon dp
\]
理想気体の性質と状態変化(4) 定圧変化
理解レベル
難易度: ★★
ピストンシリンダ容器内に気体が入っている.
ピストンとシリンダ壁との間の摩擦を無視し,比熱は温度によらず一定として,次の問に答えよ.ただし,$0^\circ\rm{C}=273\,\rm{K}$とし,有効数字$4$桁で答えよ.
$(1)$
容器内の気体の容積は$V_1=9\,\rm{m^{3}}$,圧力$p_1=120\,\rm{kPa}$,温度は$T_1=27^\circ\rm{C}$である.
この気体のガス定数が$R=0.2872\,\rm{kJ/(kg\cdot K)}$であるとすると,気体の質量$m$はいくらか.
$(2)$
この気体に熱量$Q=1260\,\rm{kJ}$を加えると気体は膨張し,温度は$T_2=127^\circ\rm{C}$に上昇した.
膨張中の気体の圧力は一定として,この気体の定圧比熱$c_p$を求めよ.
$(3)$
この気体の定容比熱$c_v$を求めよ.
$(4)$
この気体の比熱比$\kappa$を求めよ.
$(5)$
比熱比$\kappa$の値から,この気体は何原子分子か推測せよ.
単原子分子,2原子分子,3原子以上の多原子気体のいずれかで答えよ.
$(6)$
膨張後の気体の容積$V_2$を求めよ.
ただし,等圧変化とする.
$(7)$
気体がした仕事$W$を求めよ.
解答例・解説
$(1)$
\[m=\frac{p_1V_1}{RT}=\frac{120\times10^3\times9}{0.2972\times1000\times300}=12.5348\rm{kg}=12.53\,\rm{kg}\]
$(2)$
\[c_p=\frac{Q}{m\Delta T}=\frac{1260\times10^3}{12.5348\times100}=1005.2\,\rm{J/(kg}\cdot K)=1.005\ \,\rm{kJ/(kg}\cdot K)\]
$(3)$
\[c_v=c_\rho-R=1.0052-0.2872=0.718\ \rm{kJ/kg}\cdot K\]
$(4)$
\[\kappa=\frac{c_p}{c_v}=1.3996=1.400\]
$(5)$
\[
二原子分子
\]
$(6)$
\[V_2=V_1\frac{T_2}{T_1}=9\frac{400}{300}=12\,\rm{m^{_3}}\]
$(7)$
\[W=p(V_2-V_1)=120\times10^{_3}\times(12-9)=360\,\rm{kJ}\]
理想気体の性質と状態変化(5) 定圧変化
適用レベル
難易度: ★★★
温度$27\rm{^\circ C}$,圧力$0.3\,\rm{MPa}$,容積$0.5\,\rm{m^3}$の酸素が等圧のもとで,$30\,\rm{kJ}$の仕事をしたとする.
酸素のガス定数$0.2598\,\rm{kJ/(kg \cdot K)}$,定圧比熱$0.9150\,\rm{kJ/(kg \cdot K)}$,定容比熱$0.6551\,\rm{kJ/(kg \cdot K)}$として,次の問いに答えよ.
ただし,$0^\circ\rm{C}=273\,\rm{K}$とし,
端数については有効数字$4$桁とせよ.
$(1)$
変化後の温度$T_2$を答えよ.
$(2)$
この気体が酸素であるとして受熱量$Q_{12}$を答えよ.
解答例・解説
$(1)$
\[
mR = \frac{p_1V_1}{T_1} = \frac{0.3 \times 10^6 \times 0.8}{300} =800 \\
m= 1.924557 \\
W_{12}= p(V_2 - V_1) = mR(T_2 - T_1) \\
\begin{align}
T_2
&= \frac{W_{12}}{mR}+T_1 \\
&= \frac{30 \times 10^3}{500}+300 \\
\therefore
&=360\ \rm{K}
\end{align}
\]
$(2)$
\[
\begin{align}
Q_{12}
&=mc_p(T_2-T_1) \\
&=1.9246 \times 0.915 \times (360-300) \\
&=105.66 \\
\therefore
&=105.7 \ \rm{kJ}
\end{align}
\]
理想気体の性質と状態変化(6) 等温変化
適用レベル
難易度: ★★★
$p--V$線図を参考に等温変化についての次の問いに答えよ.
%=image:/media/2015/01/22/142192361853475300.png:
$(1)$
等温変化における絶対仕事$W_{12}$が次式で表されることを証明せよ.
\[W_{12}=p_1V_1\ln\frac{p_1}{p_2}\]
$(2)$
等温変化における受熱量$Q_{12}$と工業仕事$L_{12}$は, それぞれ絶対仕事$W_{12}$に等しくなることを熱力学の第一法則を利用して証明せよ.
解答例・解説
$(1)$
\[
等温だから\hspace{10mm}
pV=C=p_1V_1=p_2V_2 \Longrightarrow p=\frac{C}{V}\]
\[W_{12}=\int_1^2pdV=C\int_{V_1}^{V_2}\frac{dV}{V}=C\ln\frac{V_2}{V_1}=p_1V_1\ln\frac{V_2}{V_1}\]
\[ここでp_1V_1=p_2V_2より\frac{V_2}{V_1}=\frac{p_1}{p_2}\]
\[\therefore W_{12}=p_1V_1\ln\frac{p_1}{p_2}\hspace{15mm}\\
証明終わり\]
(2)
\[Q_{12}=\Delta V+W_{12}=mc_v\Delta T+W_{12}\]
\[等温だから\hspace{10mm}\Delta T=0\hspace{10mm}\therefore Q_{12}=W_{12}\hspace{10mm}\\
証明終わり\]
\[Q_{12}=\Delta H-L_{12}=mc_p\Delta T+L_{12}\]
\[等温だから\hspace{10mm}\Delta T=0\hspace{10mm}\therefore L_{12}= Q_{12}=W_{12}\hspace{10mm}\\
証明終わり\]
理想気体の性質と状態変化(7) 等温変化
理解レベル
難易度: ★★
$1\,\rm{MPa}$の圧力で満たされた$4\,\rm{kg}$の空気が,容積$0.6\,\rm{m^3}$から$12\,\rm{m^3}$まで等温膨張したとして,次の問いに答えよ.
ただし,空気のガス定数を$R= 0.287 \,\rm{kJ/(kg \cdot K)}$とし,$0^\circ\rm{C}=273\,\rm{K}$として答えよ.
端数については有効数字$4$桁とせよ.
$(1)$
終わりの圧力$p_2$を求めよ.
$(2)$
温度$T$を求めよ.
$(3)$
外部にした絶対仕事$W_{12}$を答えよ.
$(4)$
加えられた熱量$Q_{12}$を答えよ.
解答例・解説
$(1)$
\[
\begin{align}
p_2
&= \frac{p_1 V_1}{V_2} \\
&=\frac{1 \times 10^6 \times 0.6}{12} \\
&=50000 \ \rm{Pa}
\end{align}
\]
$(2)$
\[
\begin{align}
T
&= \frac{p_1 V_1}{mR} \\
&= \frac{1 \times 10^6 \times 0.6}{4 \times 0.287 \times 10^3} \\
&=522.648 \\
&=522.6 \ \rm{K}
\end{align}
\]
$(3)$
\[
\begin{align}
W_{12}
&= p_1 V_1\ln \frac{V_2}{V_1} \\
&=1 \times 10^6 \times 0.6 \ln \times \frac{12}{0.6}\\
&= 1.797 \ \rm{MJ}
\end{align}
\]
$(4)$
\[
Q_{12} = W_{12} = 1.797 \ \rm{MJ}
\]
理想気体の性質と状態変化(8) 定容変化
理解レベル
難易度: ★★
容積$1\,\rm{m^3}$の圧力容器に$0.1\,\rm{MPa}$,$27\rm{^\circ C}$のヘリウムガスが封入されている.
次の問いに答えよ.
ただし,ヘリウムのガス定数は$R= 2.0772 \,\rm{kJ/(kg \cdot K)}$,定容比熱は$c_v= 3.160 \,\rm{kJ/(kg \cdot K)}$とする.
また,$0^\circ\rm{C}=273\,\rm{K}$とし,
端数については有効数字$4$桁とせよ.
$(1)$
容器内のガスを$100\rm{^\circ C}$に加熱したときの圧力を求めよ.
$(2)$
容器内のガスを$1000\rm{^\circ C}$に加熱したときの圧力を求めよ.
$(3)$
容器内のヘリウムガスの質量を求めよ.
$(4)$
容器内のヘリウムガスを$100\rm{^\circ C}$から$1000\rm{^\circ C}$に加熱したときのヘリウムガスの受熱量を求めよ.
解答例・解説
$(1)$
\[
\begin{align}
p_2
&= p_1 \frac{T_2}{T_1} \\
&=0.1 \times 10^6 \times \frac{373}{300} \\
&=0.1243 \times 10^6 \\
\therefore
&=0.1243 \ \rm{MPa}
\end{align}
\]
$(2)$
\[
\begin{align}
p_2
&= p_1 \frac{T_2}{T_1} \\
&=0.1 \times 10^6 \times \frac{1273}{300} \\
&=0.4243 \times 10^6 \\
\therefore
&=0.4243 \ \rm{MPa}
\end{align}
\]
$(3)$
\[
\begin{align}
m
&= \frac{p_1 V_1}{R T_1} \\
&=\frac{0.1 \times 10^6 \times 1}{2.0972 \times 10^3 \times 300} \\
&=0.16047 \\
\therefore
&=0.1605 \ \rm{kg}
\end{align}
\]
$(4)$
\[
\begin{align}
Q_{12}
&= mc_v \Delta T \\
&=0.16047 \times 3.160 \times 10^3 \times 920 \\
\therefore
&=456.4 \ \rm{kJ}
\end{align}
\]
理想気体の性質と状態変化(9) 断熱変化
適用レベル
難易度: ★★★
理想気体の可逆断熱変化に関する次の問いに答えよ.
$(1)$ 熱力学の第一法則から次式を導け.
ただし, $p$ は圧力,$V$ は容積,$\kappa$ は比熱比である.
\[
pV^\kappa=C(一定)
\]
$(2)$ 状態1から状態2への変化において,気体が外部にする絶対仕事 $W_{12}$ は次式となることを示せ.
ただし,添字は状態を表す.
\[
W_{12}=\frac{1}{\kappa-1}(p_1V_1-p_2V_2)
\]
$(3)$ 状態$1$から状態$2$への変化の概略ならびに絶対仕事 $W_{12}$ を $p--V$ 線図上に描け.
解答例・解説
$(1)$
熱力学の第一法則より,
\[
d'Q=dU+d'W \left( ' は状態量でないことの記し\right)
\]
可逆変化における仕事の定義により,
\[
d'W=pdV
\]
またこのときの定容比熱の定義により,
(第一法則より $d’Q=dU+pdV =mc_vdT+pdV$.定容 $dV=0$ における定義であることに注意)
\[
c_v=\frac{1}{m}\left( \frac{\partial Q}{\partial T} \right)_v=\frac{1}{m}\frac{dU}{dT}
\]
さらに断熱だから,$d’Q=0$
したがって,第一法則は次のように書き換えられる.
\[
0=mc_vdT+pdV ・・・(1)'
\]
一方,理想気体の状態方程式より,
\[
pV=mRT
\]
上式において,$p,V,T$は変数であるので,両辺を微分して,
\[
pdV+Vdp=mRdT ・・・(2)'
\]
式$ (1)' $と式$(2)'$より,$dT$ を消去して,整理すると,
\[
\frac{c_v+R}{c_v}pdV+Vdp=0
\\
\frac{c_p}{c_v}pdV+Vdp=0 \left(\because c_v+R=c_p\right)
\\
\kappa pdV+Vdp=0 \left(\because \kappa=\frac{c_p}{c_v}\right) ・・・(3)'
\]
変数分離形になっていることに注意して式$(3)'$を積分する.
\[
\kappa \frac{dV}{V}+\frac{dp}{p}=0
\\
\kappa \int \frac{dV}{V}+\int \frac{dp}{p}=C\left(Cは積分定数\right)
\\
\kappa \ln {V}+\ln {p}=C\left(不定積分\right)
\\
\ln {pV^\kappa}=C
\]
\[
\therefore pV^\kappa=C'
\]
$(2)$
絶対仕事の定義により,
\[
W_{12} = \int_1^2 pdV
\]
断熱変化であるので,$pV^\kappa=p_1V_1^\kappa=p_2V_2^\kappa=C \ $(一定)であるから,
\begin{eqnarray*}
W_{12} & = & C \int_1^2 V^{-\kappa}dV \\
& = & \frac{C}{1-\kappa} \left( V_2^{1-\kappa}-V_1^{1-\kappa} \right) \\
& = & \frac{1}{\kappa-1} \left( p_1V_1^{\kappa}V_1^{1-\kappa}-p_2 V_2^{\kappa}V_2^{1-\kappa} \right) \\
& = & \frac{1}{\kappa-1} \left( p_1V_1-p_2 V_2 \right)
\end{eqnarray*}
[別解]
断熱変化なので,$dQ=0$
したがって,熱力学の第1法則より,$dW=−dU$ となるので,
\begin{eqnarray*}
W_{12} & = & - \int_1^2 dU \\
& = & U_1-U_2 \\
& = & mc_v \left( T_1-T_2 \right) \left(\because \Delta U=mc_v \Delta T\right) \\
& = & \frac{mR}{\kappa-1} \left( T_1-T_2 \right) \left(\because R=c_p-c_v, \ \ \kappa=\frac{c_p}{c_v}\right) \\
& = & \frac{1}{\kappa-1} \left( p_1V_1-p_2 V_2 \right) \left(\because pV=mRT 理想気体の状態方程式\right)
\end{eqnarray*}
$(3)$
%=image:/media/2015/02/03/142290182941645000.png:
理想気体の性質と状態変化(10) 断熱変化
適用レベル
難易度: ★★★
$p--V$線図を参考に断熱変化における工業仕事$L_{12}$が次式で表されることを証明せよ.
\[
L_{12} = \frac{\kappa}{\kappa-1} p_1 V_1 \left\{ 1- \left( \frac{p_2}{p_1} \right)^{\frac{\kappa-1}{\kappa}} \right\}
\]
%=image:/media/2015/01/22/142192372652635900.png:
解答例・解説
\[
pV^\kappa=C=p_1V_1^\kappa=p_2V_2^\kappa \\
V=p_1^{\frac{1}{\kappa}} V_1 p^{\frac{1}{\kappa}}
\]
\[
\begin{align}
L_{12}
&= - \int_{1}^{2}Vdp \\
&= \int_{2}^{1}Vdp \\
&= p_1^{\frac{1}{\kappa}}V_1 \int_{p_2}^{p_1}p^{-\frac{1}{\kappa}}dp \\
&=p_1^{\frac{1}{\kappa}} V_1 \left[ \frac{1}{1-\frac{1}{\kappa}} \cdot p^{1-\frac{1}{\kappa}} \right]^{p_1}_{p_2} \\
&=p_1^{\frac{1}{\kappa}} V_1 \frac{V_1}{\kappa-1} \left( p_1^{\frac{\kappa-1}{\kappa}}-p_2^{\frac{\kappa-1}{\kappa}} \right) \\
&=p_1^{\frac{\kappa-1}{\kappa}} p_1^{\frac{1}{\kappa}} V_1 \frac{\kappa}{\kappa-1} \left\{1- \left( \frac{p_2}{P_1} \right)^{\frac{\kappa-1}{\kappa}} \right\} \\
&=\frac{\kappa-1}{\kappa} p_1 V_1 \left\{1- \left( \frac{p_2}{p_1} \right)^{\frac{\kappa-1}{\kappa}} \right\}
\end{align}
\]
\[ 証明終わり\]
理想気体の性質と状態変化(11) 断熱変化
適用レベル
難易度: ★★★
比熱比$\kappa=1.4$,ガス定数$R= 0.287 \,\rm{kJ/(kg \cdot K)}$の理想気体$0.1\,\rm{kg}$が断熱膨張する.
初めの容積$V_1= 0.02\,\rm{m^3}$,圧力$p_1=0.6\,\rm{MPa}$であり,終わりの圧力が$p_2=0.1\,\rm{MPa}$となった.
次の問いに答えよ。
ただし,端数については有効数字$4$桁とせよ.
$(1)$
外部にした工業仕事$L_{12}$を求めよ.
$(2)$
絶対仕事$W_{12}$を求めよ.
$(3)$
温度低下$\Delta T= T_1 - T_2$を求めよ.
ヒント : $T_2= T_1 \left( \frac{p_2}{p_1} \right)^{\frac{\kappa-1}{\kappa}} $
解答例・解説
$(1)$
\[
\begin{align}
L_{12}
&= \frac{1.4}{0.4} \times 0.6 \times 10^6 \times 0.02 \times \left\{ 1-\left( \frac{0.1}{0.6} \right)^{\frac{0.4}{1.4}} \right\} \\
&= \frac{1.4}{0.4} \times 0.6 \times 10^6 \times 0.02 \times \left( 1-0.589337 \right) \\
&=16827.8 \\
\therefore
&=16.83 \ \rm{kJ}
\end{align}
\]
$(2)$
\[
\begin{align}
W_{12}
&= \frac{L_{12}}{\kappa}\\
&= \frac{16827.8}{1.4} \\
\therefore
&=12.02 \ \rm{kJ}
\end{align}
\]
$(3)$
\[
\begin{align}
T_{1}
&= \frac{p_1 V_1}{mR} \\
&= \frac{0.6 \times 10^6 \times 0.02}{0.1 \times 0.287 \times 1000} \\
&=418.118 \\
&=418.12 \ \rm{K}
\end{align}
\]
\[
\begin{align}
T_{2}
&= T_1\left( \frac{p_2}{p_1} \right)^{\frac{\kappa-1}{\kappa}} \\
&= 418.12 \left( \frac{1}{6} \right)^{\frac{0.4}{1.4}} \\
&=250.59 \ \rm{K}
\end{align}
\]
\[
\therefore
\Delta T = T_1 - T_2 = 167.8 \ \rm{K}
\]
理想気体の性質と状態変化(12) 等温変化と断熱変化の仕事量
理解レベル
難易度: ★★
行程容積$\Delta V \ (=V_2-V_1)$が同じとき,断熱膨張と等温膨張ではどちらの方が外部にする絶対仕事量が大きくなるか答えよ.
解答例・解説
等温膨張による絶対仕事量の方が大きい.
理想気体の性質と状態変化(13) ポリトロープ変化
理解レベル
難易度: ★★
$10\,\rm{kg}$の空気が,$p V^{1.3}=C$(一定)にしたがって,圧力$0.1\,\rm{MPa}$,温度$27\,\rm{^\circ C}$の初期状態から圧縮され,圧力が$2.7\,\rm{MPa}$になったとする.
次の問いに答えよ.ただし,$0^\circ\rm{C}=273\,\rm{K}$とし,端数については有効数字$4$桁とせよ.
$(1)$
この状態変化は何変化か.
$(2)$
圧縮後の空気の温度$T_2$を求めよ.
$(3)$
内部エネルギの増加$\Delta U$を求めよ.
ただし,空気の定容比熱$c_v = 0.7171 \,\rm{kJ/(kg \cdot K)}$とする.
解答例・解説
$(1)$
ポリトロープ
$(2)$
\[
p_1 V_1^n = p_2 V_2^n \\
p_1 \left( \frac{mRT_1}{p_1} \right)^n = p_2 \left( \frac{mRT_2}{p_2} \right)^n \\
p_1^{1-n} \times T_1^n= p_2^{1-n} \times T_2^n \\
\left( \frac{T_2}{T_1} \right)^n = \left( \frac{p_1}{p_2} \right)^{1-n} \\
\left( \frac{T_2}{T_1} \right)^n=\left( \frac{p_2}{p_1} \right)^{n-1} \\
\begin{align}
T_2
&= T_1 \left( \frac{P_2}{P_1} \right)^{\frac{n-1}{n}} \\
&= 300\left( \frac{2.7}{0.1} \right)^{\frac{0.3}{1.3}} \\
&=641.85 \\
&=641.9 \ \rm{K} \\
&=368.9\rm{^\circ C}
\end{align}
\]
$(3)$
\[
\begin{align}
\Delta U
&= m c_V \Delta T \\
&= 10 \times 0.7171 \times (T_2 - T_1) \\
&=2451.4 \,\rm{kJ} \\
&=2.451 \,\rm{MJ}
\end{align}
\]
理想気体の性質と状態変化(14) 混合気体
理解レベル
難易度: ★★
空気を質量割合で窒素$76 \%$,酸素$23 \%$,アルゴン$1 \%$の混合気体であるとしたとき,空気のガス定数$R$を求めよ.ただし,窒素のガス定数$0.2969 \, \rm{kJ/(kg \cdot K)}$,酸素のガス定数$0.2598 \ \rm{kJ/(kg \cdot K)}$,アルゴンのガス定数$0.2081 \, \rm{kJ/(kg \cdot K)}$とせよ.
また,$0^\circ\rm{C}=273\,\rm{K}$とし,端数については有効数字$4$桁で答えよ.
解答例・解説
\[
\begin{align}
R
&= 0.2969 \times 0.76 + 0.2598 \times 0.23 + 0.2081 \times 0.01 \\
&=0.287479 \\
&= 0.2875 \ \rm{kJ/(kg \cdot K)}
\end{align}
\]