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例題集 / 機械 / 熱力学 (V-A-4 熱流体) / 熱力学の第二法則

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難易度

熱力学の第二法則(1) 第二法則の表現

知識・記憶レベル   難易度:
熱力学の第二法則として知られる次の表現について,問いに答えよ. クラウジウスの表現$ \cdots$ 熱はそれだけでは$( \ \ a\ \ )$から$(\ \ b\ \ )$の物体へ移れない. プランクの表現$ \cdots$ 摩擦により熱が発生する現象は$(\ \ c\ \ )$である. $(\ \ d\ \ )$増大則$\cdots$ 孤立系あるいは断熱系において$(\ \ c\ \ )$が起きると系の$(\ \ d\ \ )$は増加する. トムソンの表現$\cdots$ $\underline {(e)1つの熱源から熱を吸収し,これを全部仕事に変えて,}$$\underline{それ以外に何の変化も残さないサイクル}$は存在しない. $(1)$  $(a)$,$(b)$,$(c)$,$(d)$に入る言葉を記せ. $(2)$ トムソンの表現における下線部$(e)$を一言で何と呼ぶか答えよ.

解答例・解説

$(1)$ \[ (a) 低温\hspace{20px}(b) 高温\hspace{20px}(c) 不可逆変化\hspace{20px}(d) エントロピー \] $(2)$ \[ (e) 第二種永久機関 \]

熱力学の第二法則(2) カルノーサイクル(p−V線図,T-s線図)

知識・記憶レベル   難易度:
カルノーサイクルの$p--V$線図と$T--S$線図の概略を描け. また,カルノーサイクルを構成する熱力学的な基礎過程の連結点を$\rm{A,B,C,D}$とおいて図示し,それぞれの基礎過程の名称を示せ.

解答例・解説

%=image:/media/2015/01/22/142185402750515500.png: %=image:/media/2015/01/22/142185413614096800.png: 行程 $\rm{A \longrightarrow B}$ : 等温膨張 行程 $\rm{B \longrightarrow C}$ : 断熱膨張 行程 $\rm{C \longrightarrow D}$ : 等温圧縮 行程 $\rm{D \longrightarrow A}$ : 断熱圧縮

熱力学の第二法則(3) カルノーサイクル

理解レベル   難易度: ★★
次の問いはカルノーサイクルの熱効率を導出するのに必要な事項である. 問いに答えよ. $(1)$ 温度$T$の等温変化のもとで,系の容積が$V_1$から$V_2$まで変化するときの受熱量$Q$を求めよ. ただし動作流体は質量$m$,ガス定数$R$の理想気体とする. $(2)$ 状態$1 \ (p_1,V_1, T_1)$から状態$2 \ (p_2,V_2, T_2)$に断熱変化するときの温度$( T_1, T_2)$と容積$(V_1, V_2)$の関係を求めよ. ただし,作動ガスの比熱比を$\kappa$とする.

解答例・解説

$(1)$ 等温だから \[ pV=mRT \ (一定) \ \Longrightarrow \ p=\frac{mRT}{V} \] \[ Q=W_{12}= \int_{V_1}^{V_2}pdV =mRT \int_{V_1}^{V_2} \frac{dV}{V} \\ = mRT \ln \frac{V_2}{V_1} \] $(2)$ \[ \begin{align} &\left\{\begin{array}{cc} p_1 V_1^\kappa = p_2 V_2^\kappa \\ p_1 V_1= mRT_1 \\ p_2 V_2 = mRT_2 \end{array}\right. \end{align} \] \[ mRT_1 V_1^{\kappa-1} = mRT_2 V_2^{\kappa-1} \\ \frac{T_2}{T_1} = \left( \frac{V_1}{V_2} \right) ^{\kappa-1} \]

熱力学の第二法則(4) カルノーサイクルの熱効率

知識・記憶レベル   難易度:
高温熱源$T_1 [\rm{K}]$と低温熱源$T_2 [\rm{K}]$の間で動作するカルノーサイクルの熱効率$ \eta $を記せ.

解答例・解説

\[ \eta = 1-\frac{T_2}{T_1} \]

熱力学の第二法則(5) カルノーサイクルの動力

知識・記憶レベル   難易度:
高熱源$800\rm{^\circ C}$と低熱源$20\rm{^\circ C}$との間で動作するカルノー機関について,次の問いに答えよ. $(1)$ 熱効率$\eta$を求めよ. $(2)$ 高温源からの受熱量$Q_1$が$2\,\rm{kW}$のとき,この機関の動力$P$を求めよ.

解答例・解説

$(1)$ \[ \begin{align} \eta = 1- \frac{293}{1073} &=0.72693 \\ &=72.69 \% \end{align} \] $(2)$ \[ \eta = \frac{P}{Q_1}より \\ \begin{align} P = \eta Q_1 &=0.72693 \times 2\,\rm{kW} \\ &=1.4538 \\ &=1.454 \, \rm{kW} \end{align} \]

熱力学の第二法則(6) 冷凍機の成績係数

知識・記憶レベル   難易度:
ある冷凍機によって,室温を$-10\rm{^\circ C}$に保つために,$2\,\rm{kW}$の動力を用いて,$8\,\rm{kW}$の冷却を行う必要があるとき,この冷凍機の$COP$を求めよ.

解答例・解説

\[ COP= \frac{8\,\rm{kW}}{2\,\rm{kW}} = 4 \]

熱力学の第二法則(7) ヒートポンプの成績係数

知識・記憶レベル   難易度:
あるヒートポンプによって,室温を$27\rm{^\circ C}$に保つために$1\,\rm{kW}$の動力を用いて,$8\,\rm{kW}$の暖房を行う必要があるとき,このヒートポンプの$COP$を求めよ.

解答例・解説

\[ COP= \frac{8\,\rm{kW}}{1\,\rm{kW}} = 8 \]

熱力学の第二法則(8) 冷凍機とヒートポンプの成績係数

理解レベル   難易度: ★★
ヒートポンプの成績係数$COP_H$は同じサイクルの冷凍機の成績係数$COP_R$より$1$だけ大きくなることを証明せよ.

解答例・解説

\[ COP_H - COP_R = \frac{Q_1}{W} - \frac{Q_2}{W} = \frac{Q_1-Q_2}{W} \\ \] サイクルでは, \[ Q_1 - Q_2 = W なので, \\ \] \[\therefore COP_H - COP_R = 1 \]

熱力学の第二法則(9) ヒートポンプの定常運転

適用レベル   難易度: ★★★
ヒートポンプを作動させて部屋の温度を一定に保っている. この部屋の壁や窓からは$Q_{out}=18\,\rm{kW}$の熱量が放出されており,この部屋にいる人,電気器具,照明器具から発せられる熱量は,$Q_{in} =2\,\rm{kW}$である. このヒートポンプの所要動力が$2\,\rm{kW}$のとき,このヒートポンプの成績係数$COP$を求めよ.

解答例・解説

室温が定常に保たれているので熱収支はゼロとなる. したがって,ヒートポンプの加熱量を$Q_1$とおいて, \[ Q_1+ Q_{in} - Q_{out} = 0 \\ \Longrightarrow Q_1= Q_{out} - Q_{in} = 18-2 = 16 \,\textrm{kW} \\ \therefore \ COP= \frac{Q_1}{P} =\frac{16}{2} = 8 \]

熱力学の第二法則(10) 逆カルノーサイクル

理解レベル   難易度: ★★
外気温度$-3\rm{^\circ C}$に対して室温を$27\rm{^\circ C}$に維持する逆カルノーサイクルヒートポンプがある. このヒートポンプの暖房能力が$8\,\rm{kW}$であるとき,次の問いに答えよ. $(1)$ この暖房機の$COP$を求めよ. $(2)$ この暖房機の所要動力$P$は何ワットであるか求めよ.

解答例・解説

$(1)$ \[ \begin{align} COP &= \frac{Q_1}{P} \\ &= \frac{Q_1}{Q_1-Q_2} \\ &= \frac{T_1}{T_1-T_2} \\ &= \frac{300}{300-270} \\ &= 10 \end{align} \] $(2)$ \[ P= \frac{Q_1}{COP}= \frac{8\,\rm{kW}}{10}=0.8 \ \rm{kW} \]

熱力学の第二法則(11) 熱機関におけるエントロピ変化

理解レベル   難易度: ★★
カルノーサイクルの熱機関において温度$600\,\rm{K}$の高温熱源から,$240\,\rm{kJ}$の熱量が供給されるとき,膨張過程におけるエントロピー変化$\Delta S$を求めよ.

解答例・解説

\[ \therefore \Delta S= \frac{ \Delta Q}{T} = \frac{240\,\rm{kJ}}{600\,\rm{K}}=0.4 \,\rm{kJ/K} \]

熱力学の第二法則(12) 混合におけるエントロピ変化

適用レベル   難易度: ★★★
温度$T_1=20\rm{^\circ C}$の水$m_1 = 2 \,\rm{kg}$と,温度$80\rm{^\circ C}$の水$m_2 = 1\,\rm{kg}$ とを混合したときのエントロピ変化$\Delta S$を求めよ. ただし,水の比熱$c = 4.19 \,\rm{kJ/(kg \cdot K)}$,$0^\circ C = 273\,\rm{K}$とし,有効数字$3$桁で答えよ.

解答例・解説

(解答例) 混合後の温度を$T_m$とおくと,混合の前後で熱量が保存されるとして, \[ (m_1 + m_2)c \ T_m = m_1 c \ T_1 + m_2 c \ T_2 \\ \begin{align} T_m &= \frac{m_1 T_1 + m_2 T_2}{m_1 + m_2} \\ &=\frac{2 \times 20 + 1 \times 80}{2+1} \\ &= 40^\circ C \\ \therefore &= 313 \ \rm{K} \end{align} \] エントロピの変化は,$20\rm{^\circ C} \ (=293\,\rm{K})$の水と,$80\rm{^\circ C} \ (=353\,\rm{K})$の水のそれぞれエントロピ変化の総和で求まるので, \[ \begin{align} \Delta S &=c \left ( m_1 \ln \frac{T_m}{T_1} + m_2\ln \frac{T_m}{T_2} \right) \\ &= 4.19 \times \left( 2 \times \ln \frac{313}{293} + 1 \times \ln \frac{313}{353} \right) \\ &= 0.0494 \ \rm{kJ/K} \\ &= 49.4 \ \rm{J/K} \end{align} \] (解説) エントロピの定義により, \[ dS= \frac{dQ}{T} \] 熱力学第1法則より,$dQ= dU+ dW = mcdT =pdV$だから, \[ dS= \frac{mcdT+pdV}{T} \] 固体や液体の状態変化では通常,体積変化が小さいため,仕事量$dW=pdW$が内部エネルギの変化$dU=mcdT$に比べて小さくなり無視できる. したがって, \[ \Delta S =S_2 - S_1 = \int_1^2 dS=m \int_2^1 c \frac{dT}{T} \] 固体や液体では通常,比熱$C$は一定と考えて差し支えないので, \[ \Delta S = mc \int_1^2 \frac{dT}{T} = mc \ln \frac{T_2}{T_1} \ \ \ \ \ \ \ \ \] 以上,固体および液体のエントロピ変化$\Delta S$を導出した.

熱力学の第二法則(13) 理想気体のエントロピ変化

適用レベル   難易度: ★★★
空気$10 \,\rm{kg}$が,等圧のもとで$1.0\,\rm{m^3}$から$3.0\,\rm{m^3}$まで膨張したときのエントロピ変化を求めよ. ただし, $0^\circ\rm{C}=273\,\rm{K}$,空気の定圧比熱$c_p=1.006\, \rm{kJ/(kg\cdot K)}$とせよ.

解答例・解説

\[ \begin{align} \Delta S = mc_p \ln \frac{T_2}{T_1} &= mc_p \ln \frac{ \frac{pV_2}{mR} }{ \frac{pV_1}{mR}} \\ &= mc_p \ln \frac{V_2}{V_1} \\ &=10 \times 1.006 \times \ln \frac{3.0}{1.0} \\ \therefore &= 11.05 \, \rm{kg/K} \end{align} \]

熱力学の第二法則(14) サイクル(熱効率,p-v線図,T-s線図)

適用レベル   難易度: ★★★
状態$1 \rightarrow 2 \rightarrow 3 \rightarrow 1$の変化過程が,次の熱力学的変化によって構成されるサイクルがある. \[\left(\begin{array}{} 1 \longrightarrow 2: 等温冷却(圧縮) \\ 2 \longrightarrow 3: 等積加熱 \\ 3 \longrightarrow 1: 断熱膨張 \end{array}\right.\] 状態1における温度$T_1 =300 \, \rm{K}$,圧力$p_1 = 100 \, \rm{kPa}$である. また,状態2における比エントロピー$s_2 = 0 \,\rm{kJ/(kg \cdot K)}$とする. 圧縮比$\frac{v_1}{v_2} = \frac{v_1}{v_3} = 12$として,次の問いに答えよ. ただし,作動流体は完全ガスとし,ガス定数$R = 0.29 \,\rm{kJ/(kg \cdot K)}$,定容比熱$c_v = 0.72 \,\rm{kJ/(kg \cdot K)}$とする. $(1)$ 次の表を完成させよ.ただし,導出の過程(公式等)を明記せよ. %=image:/media/2015/02/02/142287524763027700.png: $(2)$ このサイクルの理論熱効率$\eta$を求めよ. $(3)$ このサイクルの $p-v$ 線図と $T-s$ 線図を描け.

解答例・解説

%=image:/media/2015/02/02/142287524866311400.png: $(1)$ まず,比熱比$\kappa$を求める. $\kappa = \frac{c_v + R}{c_v} = \frac{0.72 + 0.29}{0.72} = 1.4028 \\$ 次に,各々の状態変化の過程を考慮して, \[ v_1 = \frac{RT_1}{p_1} = \frac {0.29 \times 300}{100} = 0.37 \\ T_2 = T_1 + 300 \\ v_2 + \frac {v_1}{12} = 0.0725 \\ p_2 + \frac {RT_2}{v_2} = \frac{0.29 \times 300}{0.0725}=1200 \\ s_2 - s_1 = - R\ln \frac{p_2}{p_1} \ \Longrightarrow \ s_1 = s_2+ R\ln \frac{p_2}{p_1} = 0.29\ln 12 = 0.7206 \\ s_2 - s_1 = 12\ln \frac{v_2}{v_1} \ \Longrightarrow \ s_1 = s_2+ R\ln \frac{v_2}{v_1} = -0.29\ln \frac{1}{12} = 0.7206 \\ s_3 = s_1 =0.07206 \\ v_3 = v_2 = 0.0725 \\ p_3 = p_1 \left( \frac{v_1}{v_3} \right)^\kappa = 100 \times 12 ^{1.4028} = 3264.9…=3265 \\ T_3 = \frac{p_3 V_3}{R} = 816.2 \] $(2)$ \[ q_{23} = c_v (T_3 -T_1) = 0.72 (816.6 - 300) = 371.75 =372 \\ q_{12} = \int_1^2 pdv = RT_1 \int_1^2 \frac {dv}{v} = RT_1\ln \frac{v_2}{v_1} = 0.29 \times 300 \times \ln \frac{1}{12} = -216.2 \\ \eta = \frac {q_{23}+q_{12}}{q_{23}} = 0.4187 = 41.9\% \] $(3)$ %=image:/media/2015/02/03/142289714382818900.png:

熱力学の第二法則(15) サイクル(熱効率,p-v線図,T-s線図)

適用レベル   難易度: ★★★
状態$1 \rightarrow 2 \rightarrow 3 \rightarrow 4 \rightarrow 1$の変化過程が,次の熱力学的変化によって構成されるサイクルがある. \[\left(\begin{array}{} \ 1 \longrightarrow 2: 断熱圧縮 \\ \ 2 \longrightarrow 3: 等圧加熱 \\ \ 3 \longrightarrow 4: 断熱膨張 \\ \ 4 \longrightarrow 1: 等積冷却 \end{array}\right.\] 状態$1$における温度$T_1 =288 \,\rm{K}$,圧力$p_1 = 101.3 \, \rm{kPa}$,比エントロピー$s_1=0\, \rm{kJ/(kg\cdot K)}$,圧縮比$ \frac{V_1}{V_2}=14$とする. また,$2 \rightarrow3$の過程において熱量$q_{23} = 2000 \, \rm{kJ/kg}$が供給されるとして,次の問いに答えよ. ただし,作動流体の物性値は次表に従うものとする. %=image:/media/2015/02/02/142287473339177000.png: $(1)$ 次の表を完成させよ.ただし,余白部分に導出の過程(公式等)を明記し,有効数字4桁で答えよ. %=image:/media/2015/02/02/142287324353679300.png: $(2)$ 冷却過程における放熱量$q_{41} [\rm{kJ/kg}]$を求めよ. $(3)$ このサイクルの理論熱効率$\eta$を求めよ. $(4)$ このサイクルの $p--v$ 線図と $T--s$ 線図を描け.

解答例・解説

$(1)$ %=image:/media/2015/02/02/142287293421096500.png: (I) \[ v_1= \frac{RT_1}{p_1}= \frac {286.99 \times 288}{0.1013 \times 10^6} =0.81592 \\ \therefore 0.8159 \ \rm{m^3/kg} \] (II) \[ p_2 = p_1 \left( \frac{v_1}{v_2} \right)^\kappa = 101.3 \times 14^{1.4}=4075.5 \\ \therefore 4076 \ \rm{kPa} \] (III) \[ \frac{v_1}{v_2}=14 \ \Longrightarrow \ v_2= \frac{v_1}{14}=0.05828 \\ \therefore 0.05828 \ \rm{m^3/kg} \] (IV) \[ T_2= \frac{p_2 v_2}{R}=\frac{4075.5 \times 10^3 \times0.05828}{0.28699 \times 10^3}=827.6 \\ \therefore 827.6 \ \rm{K} \] (V) \[ s_2 = s_1 =0 \\ \therefore 0 \ \rm{kJ/(kg\cdot K)} \] (VI) \[ p_3 = p_2 = 4076 \\ \therefore 4076 \ \rm{kPa} \] (VII) \[ q_{23} = c_p (T_3 - T_2) \\ \Longrightarrow \ T_3= T_2 + \frac{q_{23}}{c_p}=827.6 + \frac{2000 \times 10^3}{1.006 \times 10^3} = 2815.7 \\ \therefore 2816 \ \rm{K} \] (VIII) \[ v_2= \frac{RT_3}{p_3} = \frac{0.28699 \times 10^3 \times 2815.7}{4075.5 \times 10^3} = 0.19828 \\ \therefore 0.1983 \ \rm{m^3/kg} \] (IX) \[ s_2= c_p \ln \frac{T_3}{T_2} +s_2 = 1.006 \times \ln \frac{2815.7}{827.6} =1.2318 \\ \therefore 1.232 \ \rm{kJ/(kg \cdot K)} \] (X) \[ s_4 = s_3 = 1.232 \\ \therefore 1.232 \ \rm{kJ/(kg\cdot K)} \] (XI) \[ v_4 = v_1 = 0.8159 \\ \therefore 0.8159 \ \rm{m^3/kg} \] (XII) \[ p_4 = p_3 \left( \frac{v_3}{v_4} \right)^\kappa =4075.5 \times \left( \frac{0.19828}{0.81592} \right)^{1.4} =562.42 \\ \therefore 562.4 \ \rm{kPa} \] (XIII) \[ T_4 = \frac{p_4 v_4}{R} = \frac{562.4 \times 0.81592}{0.28699} = 1598.9 \\ \therefore 1599 \ \rm{K} \] $(2)$ \[ \begin{align} q_{41}=c_v (T_4 - T_1) &=0.719 \times (1599-288) \\ \therefore &=942.6 \ \rm{kJ/kg} \end{align} \] $(3)$ \[ \eta= \frac{q_{23}-q_{41}}{q_{23}}= \frac{2060-942.6}{2000}=0.5287 \\ \therefore \ 52.9 \% \] $(4)$ %=image:/media/2015/02/03/142289671307867300.png:

熱力学の第二法則(16) 熱機関における有効エネルギ

理解レベル   難易度: ★★
温度$T_1$の高熱源から熱量$1200 \,\rm{kJ}$を受けて動作する熱機関がある. 次の問いに答えよ. ただし,周囲環境温度を$25\rm{^\circ C} $とし, $0^\circ\rm{C}=273\,\rm{K}$とせよ. $(1)$ $T_1$を$1000\rm{^\circ C} $として,この熱機関のエクセルギとアネルギを求めよ. $(2)$ $T_1$を$200\rm{^\circ C} $として,この熱機関のエクセルギとアネルギを求めよ. $(3)$ 上記問いの結果を踏まえて,温度の高低によるエネルギの質について述べよ.

解答例・解説

$(1)$ エクセルギ \[ \begin{align} Q_a &= \left( 1- \frac{T_0}{T_1} \right)Q_1 \\ &= \left( 1- \frac{298}{1273} \right) \times 1200 \\ \therefore &=919.1 \ \rm{kJ} \end{align} \] アネルギ \[ \begin{align} Q_0 &=Q-Q_a \\ &=1200-919.1 \\ \therefore &=280.9 \ \rm{kJ} \end{align} \] $(2)$ エクセルギ \[ \begin{align} Q_a &= \left( 1- \frac{T_0}{T_1} \right)Q_1 \\ &= \left( 1- \frac{298}{473} \right) \times 1200 \\ &=443.97 \ \rm{kJ} \\ \therefore &=444.0 \ \rm{kJ} \\ \end{align} \] アネルギ \[ \begin{align} Q_0 &=Q-Q_a \\ &=1200-444 \\ \therefore &=756 \ \rm{kJ} \end{align} \] $(3)$ 比較的高温の熱源は機械的仕事に変換できる部分が多いため質の良いエネルギであり,比較的低温の熱源は質の悪いエネルギであるといえる.

熱力学の第二法則(17) 混合における有効エネルギ変化

適用レベル   難易度: ★★★
温度$T_1 = 20\rm{^\circ C} $の水$ 2\, \rm{kg}$と,温度$T_2= 80\rm{^\circ C} $の水$1 \,\rm{kg}$とを混合した場合について,次の問いに答えよ. ただし,周囲環境温度を$25\rm{^\circ C} $とし, $0^\circ\rm{C}=273\,\rm{K}$,水の比熱を$c=4.19\,\rm{kJ/(kg\cdot K)}$とせよ. $(1)$ エントロピの変化$ \Delta S$を求めよ. $(2)$ エクセルギの変化$Q_a$を求めよ.

解答例・解説

$(1)$ 混合後の温度$T_m$は, \[ T_m= \frac{20 \times 2+80 \times 1}{3}=40^\circ\rm{C} =313 \ \rm{K} \] したがって,低温水と高温水のそれぞれのエントロピ変化の総和として, \[ \begin{align} \Delta S &=c \left( m_1 \ln \frac{T_m}{T_1} + m_2 \ln \frac{T_m}{T_2} \right) \\ &=4.19 \times \left( 2 \times \ln \frac{313}{293}+ 1 \times \ln \times \frac{313}{353} \right) \\ &=0.049426 \ \rm{kJ/K} \\ &= 49.43 \ \rm{J/K} \end{align} \] $(2)$ アネルギ \[ \begin{align} Q_0 &= T_0 \Delta S \\ &=298 \times 49.426 \\ &= 14729 \ \rm{J} \end{align} \] エクセルギ \[ \begin{align} Q_a &= 0-Q_0 \\ &= -14729 \ \rm{J}\\ \end{align} \ \\ \therefore エクセルギは14.7 \ \rm{kJ}減少した. \]

熱力学の第二法則(18) 相変化における有効エネルギ変化

適用レベル   難易度: ★★★
ボイラに供給された$27\rm{^\circ C} $の水$1 \,\rm{kg}$ が沸点 $177\rm{^\circ C} $まで加熱され,さらに潜熱$r = 2024 \, \rm{kJ/kg}$を得て蒸発する. 次の問いに答えよ. ただし,周囲環境温度を$25\rm{^\circ C} $とし, $0^\circ\rm{C}=273\,\rm{K}$,水の比熱を$c=4.19\,\rm{kJ/(kg\cdot K)}$とせよ. $(1)$ この過程における有効エネルギの増加$Q_a$を求めよ. $(2)$ 増加した有効エネルギは加熱量の何$\%$か求めよ.

解答例・解説

$(1)$ (顕熱として) \[ Q=mc (T_2 - T_1) = 1 \times 4.19 \times (177 - 27) = 628.5 \ \textrm{kJ} \\ Q_0=mc T_0 \ln \frac{T_2}{T_1} = 1 \times 4.19 \times 298 \times \ln \frac{450}{300} = 506.27 \ \textrm{kJ} \\ Q_a=Q-Q_0 = 122.23 \ \textrm{kJ} \] (潜熱として) \[ Q= mr = 1 \times 2024 = 2024 \ \textrm{kJ} \\ Q_0 =T_0 \frac{Q}{T_2} = 298 \times \frac{2024}{450} =1340.3 \ \textrm{kJ}\\ Q_a = Q-Q_0 = 683.66 \ \textrm{kJ} \] (全体として) \[ Q=2652.5 \ \textrm{kJ} \\ Q_a=805.89 \ \textrm{kJ} \\ \\ Q_a= 805.9 \ \textrm{kJ} \] $(2)$ \[ \frac{Q_a}{Q} = \frac{805.89}{2652.5} = 0.3038 \\ \therefore \ 30.4 \% \]

熱力学の第二法則(19) 理想気体の有効エネルギ

適用レベル   難易度: ★★★
圧力$p_1 = 2\,\rm{MPa}$,温度$T_1=1000\rm{^\circ C} $,質量 $m = 100 \,\rm{kg}$の空気がある. 周囲環境温度を$T_0 =25\rm{^\circ C} $,周囲環境圧力を$p_0 = 0.1013 \,\rm{MPa}$として次の問いに答えよ. ただし,空気の定圧比熱$c_p = 1.006 \,\rm{kJ/(kg \cdot K)}$,空気のガス定数$R = 0.287 \,\rm{kJ/(kg \cdot K)}$,$0\rm{^\circ C} = 273\,\rm{K}$とし,有効数字3桁で答えよ. $(1)$ この空気の閉じた系に対する有効エネルギ$Q_a$を求めよ. $(2)$ この空気の開いた系に対する有効エネルギ$Q_a$を求めよ.ただし,運動エネルギと位置エネルギは比較的小さいとして無視せよ.

解答例・解説

$(1)$ 空気の定容比熱$c_v$は,$c_v = c_p - R = 0.719\,\rm{kJ (kg \cdot kJ)}$ 題意の状態の空気が周囲環境の状態に変わるまでの内部エネルギ変化は, \[ \begin{align} U_1 - U_0 &= m c_v (T_1 - T_0) \\ &= 100 \times 0.719 \times (1000-25) \\ &= 70102 \ \rm{kJ} \end{align} \] 一方,エントロピ変化は, \[ \begin{align} S_1-S_0 &=m \left\{ c_p \ln \left( \frac{T_1}{T_0} \right) - R \ln \left(\frac{p_1}{p_0} \right)\right\} \\ &=100 \left\{ 1.006 \times \ln \left( \frac{1000 + 273}{25 + 273} \right) - 0.287 \times \ln \left( \frac{2}{0.1013} \right) \right\} \\ &=60.468 \ \rm{kJ/K} \end{align} \] 容積は, \[ V_1= \frac{mRT_1}{p_1} = 100 \times 0.287 \times 10^3 \times \left( \frac{1273}{2 \times 10^6} \right) = 18.268 \ \rm{m^3} \] \[ V_0= \frac{mRT_0}{p_0} = 100 \times 0.287 \times 10^3 \times \left( \frac{298}{0.1013 \times 10^6} \right) = 84.428 \ \rm{m^3} \] したがって,閉じた系の有効エネルギの定義より, \[ \begin{align} Q_a &= (U_1 - U_0) - T_0 (S_1 - S_0) + P_0 (V_1 - V_0) \\ &= 70102 \times 10^3 - 298 \times 60.468 \times 10^3 + 0.1013 \times 10^6 \times (18.268 - 84.428) \\ &= 45.38 \times 10^6 \ \rm{J} \\ &=45.38 \ \rm{MJ} \end{align} \] $(2)$ 題意の状態の空気が周囲環境の状態に変わるまでのエンタルピ変化は, \[ \begin{align} H_1-H_0 &= mc_p (T_1 - T_0) \\ &= 100 \times 1.006 \times (1000-25) \\ &=98085 \ \rm{kJ} \end{align} \] 一方,エントロピ変化は, \[S_1 - S_0 = 60.468 \ \rm{kJ/K} \] したがって,開いた系の有効エネルギーの定義より, \[ \begin{align} Q_a &= (H_1 - H_0) - T_0 (S_1 - S_0) \\ &=98085 - 298 \times 60.468 \\ &= 80.1 \times 10^3 \ \rm{kJ} \\ &= 80.1 \ \rm{MJ} \end{align} \] (解説) 理想気体のエントロピ変化を導出する. エントロピの定義より, \[ dS = \frac{dQ}{T} \ \cdots (1)' \] 理想気体における熱力学の第1法則より, \[ dQ= dU +dW = mc_v dT + pdV \ \ \ (第1基礎式) \cdots (2)' \\ dQ= dH +dL = mc_p dT - Vdp \ \ \ (第2基礎式) \cdots (3)' \] 式$(1)'$に,式$(2)'$と式$(3)'$をそれぞれ代入して,理想気体の状態方程式$pv = RT$の関係を用いると, \[ \begin{align} dS &= \frac{mc_v dT + pdV}{T} \\ &= mc_v \frac{dT}{T} + m \frac {pdv}{T} \\ &= m \left( c_v \frac{dT}{T} + R \frac{dv}{v} \right) \ \ \ \cdots (4)' \\ dS &= \frac{mc_p dT - Vdp}{T} \\ &= mc_p \frac{dT}{T} - m \frac {vdp}{T} \\ &= m \left( c_p \frac{dT}{T} - R \frac{dp}{p} \right) \ \ \ \cdots (5)' \end{align} \] 理想気体が状態1から状態2まで変化したときのエントロピ変化$ \Delta S = S_2-S_1$は,理想気体の比熱$(c_v, \ c_p)$は一定であるとして,式$(4)'$,$(5)'$の両辺をそれぞれ積分し, \[ S_2 - S_1 = m \left( c_v \ln \frac{T_2}{T_1} + R \ln \frac {v_2}{v_1} \right) \\ S_2 - S_1 = m \left( c_p \ln \frac{T_2}{T_1} + R \ln \frac {p_2}{p_1} \right) \] が導出される.

熱力学の第二法則(20) 実際サイクルと理論サイクル

理解レベル   難易度: ★★
実際のガスサイクルで起きている現象を,可逆的な理想サイクルとして考えるための前提条件を説明した次の文章を完成させよ. ただし,(ア)〜(ク)に入る語句を,$1$〜$8$から選択し答えよ. $(1)$ 各過程における摩擦を無視する. $\longrightarrow$ 作動流体が熱機関内を流れても(ア)はないとする. $(2)$ 作動流体は理想気体の状態で変化する. $\longrightarrow$ 全ての膨張$\cdot$圧縮過程は,(イ)に行われるとする. $(3)$ 熱機関に使われる配管は完全に遮断されてるものとする. $\longrightarrow$ (ウ)は無視する. $(4)$ 作動流体の速度および位置の変化は無視する. $\longrightarrow$ (エ)と(オ)の変化は無視する. さらに,実際のサイクルを簡単に解析するために次の空気標準想定を前提とする. $(5)$ 作動流体は理想気体の(カ)とする. $(6)$ 燃焼過程は(キ)に置き換える. $(7)$ 排気過程は(ク)に置き換える. $1.$ 位置エネルギー  $2.$ 運動エネルギー  $3.$ 空気  $4.$ 加熱過程  $5.$ 圧力損失  $6.$ 熱損失  $7.$ 冷却過程  $8.$ 準静的

解答例・解説

(ア) $5$ (イ) $8$ (ウ) $6$ (エ) $1$,または$2$ (オ) $2$,または$1$ (カ) $3$ (キ) $4$ (ク) $7$