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例題集 / 機械 / 流れ学 (V-A-4 熱流体) / 抗力と揚力
次の文章の$\left( \hspace{30px} \right)$内に当てはまる語句を答えよ.
物体の働く力について
流体中に置かれた物体には作用力といわれる力が働く.
この力は,流れ方向に平行な成分$D$と垂直な成分Lに分解することができ,$D$を$(\ 1\ )$,$L$を$(\ 2\ )$と呼ぶ.
二次元物体に関する$(\ 1\ )$は,おもに圧力と摩擦力による二つの力がある.
圧力$p$による力D$_p$は
\[D_p=\int_Ap\cos\Theta dA\]
となる.
この力は,圧力抵抗あるいは圧力$(\ 1\ )$,$(\ 3\ )$抵抗と呼ぶ.
また,物体の粘性に基づく壁面せん断応力$\tau_0$による力$D_f$は,
\[D_f=\int_A\tau_0\sin\Theta dA\]
のようになり,この力を$(\ 4\ )$抵抗あるいは圧力$(\ 4\ )\ (\ 1\ )$と呼ぶ,圧力抵抗と$(\ 4\ )$抵抗の和から,$(\ 1\ )D$は次式のように与えられる.
\[D=D_f+D_p\]
ここで両$(\ 1\ )$の比率は,物体の形状,表面粗さ,流れに対する姿勢によって異なる.
圧力抵抗をできる限り少なくするように工夫された物体形状を流線型と呼ぶ.
流体抵抗には,圧力抵抗,摩擦抵抗の他に衝撃波や水面波による造波抵抗,複数物体の相互作用による$(\ 5\ )$抵抗などがある.
解答例・解説
$(1)$
抗力
$(2)$
揚力
$(3)$
形状
$(4)$
摩擦
$(5)$
干渉
抗力と揚力(2)
知識・記憶レベル
難易度: ★★
円柱と,球のノイレイズ数$Re$と抗力係数$C_D$の関係は,『機械工学便覧,流体力学,日本機械学会編』あるいは『流れの力学,松岡他4名,コロナ社,2001,P185』に記載されている.
これらの図を参照し,$30^\circ \rm{C}$の空気の密度を$\rho=1.16\,\rm{kg/m^3}$,動粘度を$\nu=16.08\times10^{-6} \,\rm{m^2/s}$として,次の問いに答えよ.
$(1)$
$30^\rm\circ C$の空気中に,直径$3\,\rm{mm}$,長さ$20\,\rm{m}$の円柱が流れに垂直に置かれている.
流れの速度が$10\,\rm{m/s}$のときの抗力$D$を求めよ.
$(2)$
直径$d=1.0\,\rm{cm}$の球が静止している水中$(\nu=1.01\times10^{-6}\,\rm{m^2/s}, \ \rho \ =1000\,\rm{kg/m^3})$を速度$v=10.0\,\rm{cm/s}$で動くときの抗力$D$を求めよ.
解答例・解説
$(1)$
\[\begin{align}
Re=\frac{Vd}{\nu}
&=\frac{10\,\rm{m/s}\times 3\times 10^{-3}\,\rm{m}}{16.08\times 10^{-6}\,\rm{m^2/s}}\\
&=1866\\
&=1.87\times 10^3
\end{align}\]
図より,$C_D=1.0$,
\[\begin{align}
D=C_D\frac{1}{2}\rho V^2S
&=1.0\times\frac{1}{2}\times 1.16 \times 10^2\times\left(20\times 3 \times 10^{-3} \right)\\
&=3.48\,\rm{N}
\end{align}\]
$(2)$
\[\begin{align}
Re=\frac{Vd}{\nu}
&=\frac{10\times10^{-2}\,\rm{m/s}\times 1.0\times 10^{-2}\,\rm{m}}{1.01\times 10^{-6}\,\rm{m^2/s}}\\
&=990\\
\end{align}\]
図より,$C_D=0.4$,
\[\begin{align}
D=C_D\frac{1}{2}\rho V^2S
&=0.4\times\frac{1}{2}\times 1000 \times \left(10.0\times 10^{-2}\right)^2 \times \frac{\pi\times \left(1\times10^{-2} \right)^2}{4}\\
&=1.57\times 10^{-4}\,\rm{N}
\end{align}\]