2次関数
%
$a$, $b$, $c$ を定数,
$a\ne 0$ としたとき,
関数 $y=f(x)$ が $x$ の2次式
%
\begin{align*}
y=ax^2+bx+c
\end{align*}
%
で表される関数を\ommindex{2次関数}{にじかんすう}という。
$y=ax^2$ のグラフは,
原点を\ommindex{頂点}{ちょうてん}とする
\ommindex{放物線}{ほうぶつせん}である。
$y=ax^2+bx+c$ は
%
\begin{align*}
y=a\left(x+\frac{b}{2a}\right)-\frac{b^2-4ac}{4a^2}
\end{align*}
%
と変形することができる。
これを $y=ax^2+bx+c$ の\ommindex{標準形}{ひょうじゅんけい}という。
したがって,
$y=ax^2+bx+c$ のグラフは,
$y=ax^2$ のグラフを $x$ 軸方向に $-\frac{b}{2a}$,
$y$ 軸方向に $-\frac{b^2-4ac}{4a^2}$ だけ平行移動したものになる。
とくに,
$y=ax^2+bx+c$ のグラフの頂点の座標は
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\begin{align*}
\left(-\frac{b}{2a}, -\frac{b^2-4ac}{4a^2}\right)
\end{align*}
%
である。
%
2次関数と2次方程式
%
一般に,
方程式 $f(x)=0$ が実数解 $x=\alpha$ をもつとき,
点 $(\alpha,0)$ は $y=f(x)$ のグラフと $x$ 軸との共有点である。
2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ の実数解の個数は,
判別式 $D=b^2-4ac$ によって決まるから,
2次関数のグラフと $x$ 軸との共有点は次のように分類される。
%
\begin{align*}
\begin{array}{|c||c|c|}
\hline
& ax^2+bx+c=0 & y=ax^2+bx+c
\rule[-1zh]{0zw}{3zh}
\\ \hline
D>0
& \mbox{2つの異なる実数}
& \mbox{$x$ 軸と2点で交わる}
\rule[-1zh]{0zw}{3zh}
\\ \hline
D=0
& \mbox{1つの実数解 (2重解)}
& \mbox{$x$ 軸と接する}
\rule[-1zh]{0zw}{3zh}
\\ \hline
D<0
& \mbox{虚数解}
& \mbox{$x$ 軸と共有点をもたない}
\rule[-1zh]{0zw}{3zh}
\\ \hline
\end{array}
\end{align*}
%
%
2次関数と2次不等式
%
一般に,
不等式 $f(x)<0$ の解は
$y=f(x)$ のグラフが $x$ 軸より上にある $x$ の範囲であり,
不等式 $f(x)>0$ の解は
$y=f(x)$ のグラフが $x$ 軸より下にある $x$ の範囲である。
2次不等式の解は2次関数 $y=ax^2+bx+c$ のグラフによって解くことができる。
ここでは $a>0$ のときだけを扱う。
(1) $D>0$ のとき
$y=ax^2+bx+c$ のグラフは $x$ 軸と異なる2点で交わり,
2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ は2つの異なる実数解 $\alpha$,
$\beta$ ($\alpha<\beta$) をもつ。
したがって,
不等式の解は次のようになる。
%
\begin{align*}
\begin{array}{|c|c|}
\hline
不等式 & 解
\\[0.5em] \hline
ax^2+bx+c>0 & x<\alpha, \quad x>\beta
\\[0.5em] \hline
ax^2+bx+c\ge 0 & x\le\alpha, \quad x\ge \beta
\\[0.5em] \hline
ax^2+bx+c<0 & \alpha<x<\beta
\\[0.5em] \hline
ax^2+bx+c\le 0 & \alpha\le x \le\beta
\\[0.5em] \hline
\end{array}
\end{align*}
(2) $D=0$ のとき
$y=ax^2+bx+c$ のグラフは $x$ 軸と2点で接し,
2次方程式 $ax^2+bx+c=0$ は2重解 $\alpha$ をもつ。
したがって,
不等式の解は次のようになる。
%
\begin{align*}
\begin{array}{|c|c|}
\hline
不等式 & 解
\\[0.5em] \hline
ax^2+bx+c>0 & x\ne\alpha
\\[0.5em] \hline
ax^2+bx+c\ge 0 & すべての実数
\\[0.5em] \hline
ax^2+bx+c<0 & 解なし
\\[0.5em] \hline
ax^2+bx+c\le 0 & x=\alpha
\\[0.5em] \hline
\end{array}
\end{align*}
(3) $D<0$ のとき
$y=ax^2+bx+c$ のグラフは $x$ 軸と共有点をもたず,
任意の $x$ に対して $ax^2+bx+c>0$ である。
したがって,
不等式の解は次のようになる。
%
\begin{align*}
\begin{array}{|c|c|}
\hline
不等式 & 解
\\[0.5em] \hline
ax^2+bx+c>0 & すべての実数
\\[0.5em] \hline
ax^2+bx+c\ge 0 & すべての実数
\\[0.5em] \hline
ax^2+bx+c<0 & 解なし
\\[0.5em] \hline
ax^2+bx+c\le 0 & 解なし
\\[0.5em] \hline
\end{array}
\end{align*}