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例題集 / 機械 / 熱力学 (V-A-4 熱流体) / 熱力学の基礎

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難易度

熱力学の基礎(1) 単位系

知識・記憶レベル   難易度:
次の$(\hspace{30px})$内に当てはまる数値を記述せよ. ただし,$(\ 1\ )$,$(\ 4\ )$は有効数字$4$桁で,$(\ 3\ )$は$5$桁で答えよ. \[ 標準大気圧=1\,\rm{atm}=( \ \ 1 \ \ ) \\ 1\,\rm{MPa}=(\ \ 2\ \ )\,\rm{mmHg} \\ 0^\circ \rm{C}=(\ \ 3\ \ )\,\rm{K} \\ 1\,\rm{kgf}=(\ \ 4 \ \ )\,\rm{N} \\ 1\,\rm{kWh}=(\ \ 5\ \ )\,\rm{MJ} \]

解答例・解説

$(1)\ 0.1013$ $(2)\ 760$ $(3)\ 273.15$ $(4)\ 9.807$ $(5)\ 3.6$

熱力学の基礎(2) 圧力

理解レベル   難易度: ★★
ある蒸気原動所で測定された次の圧力を$\rm{SI}$単位系の絶対圧力に直せ. ただし,圧力計が設置された室内の気圧は$1020\,\rm{hPa}$であった. $(1)$ ボイラ出口の蒸気圧を測定する圧力計が$1.80\,\rm{MPa}$を指した. $(2)$ タービン入口の蒸気のゲージ圧は$20.0\,\rm{kgf/cm^2}$であった. $(3)$ 復水器の圧力は真空$650\,\rm{mmHg}$であった.

解答例・解説

$(1)$ \[p=1.8+0.102\,\rm{MPa}=1.902\,\rm{MPa}\] $(2)$ \[ 20\,\rm{kgf/cm^2}=20×\frac{9.807}{(0.01)^2} \] \[ p_a=196.1×10^4\,\rm{Pa} \] \[ p=1.96×10^6+0.102×10^6 \] \[ p_a=2.06×10^6 \] \[\therefore p_a=2.06\,\rm{MPa} \] $(3)$ \begin{align}p&= 0.102-\frac{650}{760}×0.1013\\ &= 0.01536\,\rm{MPa} \\ &= 15.4\,\rm{kPa} \end{align}

熱力学の基礎(3) 密度と比容積

理解レベル   難易度: ★★
シリンダ直径$60\,\rm{mm}$の中をピストンが$30\,\rm{mm}$だけ動いて,質量$0.11\,\rm{g}$の作動流体を吸入したとき,作動流体の比容積$\upsilon$,ならびに密度$\rho$を求めよ.

解答例・解説

\[ V=\frac{π}{4}(0.06)^2\times 0.03=8.482\times 10^{-5}\, \rm{m^3} \] \[ \upsilon=\frac{V}{m}=\frac{8.482\times 10^{-5}}{0.11\times 10^{-3}}=0.771\, \rm{m^3/kg} \] \[ \rho=\frac{1}{\upsilon}=1.2968=1.30\, \rm{kg/m^2} \]

熱力学の基礎(4) 熱力学的状態量

知識・記憶レベル   難易度:
 熱力学的な量は,状態量と状態量でない量に分類される.  状態量は,任意状態に対して一意に定まる物理量(状態変数として微積分可能)であり,変化の経路に依存しない.  下記の物理量のうち,状態量を全て書き出せ. $(1)$圧力$p$,$(2)$容積$V$,$(3)$温度$T$,$(4)$仕事$W$,$(5)$熱量$Q$,$(6)$エンタルピ$H$,$(7)$内部エネルギ$U$,$(8)$質量$m$

解答例・解説

状態量は $(1)\ p$, $(2)\ V$, $(5)\ T$, $(6)\ H$, $(7)\ U$, $(8)\ m$

熱力学の基礎(5) 系と周囲

知識・記憶レベル   難易度:
 宇宙は系(システム)と周囲(外界,環境)から構成され,熱力学では両者の境界を出入りする熱と仕事のやり取りによって宇宙の関係性を議論する.  系は周囲との関係性の違いによって閉鎖系,開放系,孤立系に分類される.  身のまわりに観測される次のシステムを,$(a)$閉鎖系(閉じた系),$(b)$開放系(開いた系,流動系),$(c)$孤立系に分類せよ. $(1)$ ボイラ$(boiler)$ $(2)$ タービン$(turbine)$ $(3)$ ポンプ$(pump)$ $(4)$ 風船$(ballon)$ $(5)$ バルブを閉じたボンベ$(gas\,cylinder)$ $(6)$ 完全に断熱されたジュワー瓶$(dewar\,vessel)$

解答例・解説

$(1)\ b$ $(2)\ b$ $(3)\ b$ $(4)\ a$ $(5)\ a$ $(6)\ c$

熱力学の基礎(6) 熱量と温度変化

知識・記憶レベル   難易度:
$20^\circ \rm{C}$の水$1.0\,\rm{kg}$を$80^\circ\rm{C}$に加熱するために必要な熱量$Q$を求めよ. ただし,水の比熱を$4.2\,\rm{kJ/(kg\cdot K)}$とする.

解答例・解説

\begin{align} Q&=mc\Delta T\\&=1.0×4.2×(80-20)\\&=252\,\rm{kJ} \end{align}

熱力学の基礎(7) ヒーター

理解レベル   難易度: ★★
水の比熱$c$を$4.2\,\rm{kJ/(kg\cdot K)}$,蒸発潜熱$r$を$2257\,\rm{kJ/kg}$として次の設問に答えよ. $(1)$ 大気圧のもとで,$20^\circ\rm{C}$の水$5.0\,\rm{kg}$を全て蒸発させるのに必要な熱量$Q$を求めよ. $(2)$ 上の問題において,$0.8\,\rm{kW}$のヒーターを用いて加熱するとして,水がすべて蒸発するまでに要する時間$t$を求めよ.

解答例・解説

$(1)$ \[\begin{align} Q_1=mc\Delta T &=5.0×4.2×(100-20)\\&=1680\,\rm{kJ} \end{align} \] \[ \begin{align} Q_2=mr &=5.0×2257\\&=11285\,\rm{kJ} \end{align} \] \[ \therefore Q=Q_1+Q_2=12965\,\rm{kJ} \] $(2)$ \[\begin{align} t=\frac{Q}{P}=\frac{12965\,\rm{kJ}}{0.8\,\rm{kW}}&=16206.25\,\rm{s}\\ &=270\,\rm{min}\\ &=4\,\rm{h}30\,\rm{m} \end{align}\]

熱力学の基礎(8) 熱平衡

適用レベル   難易度: ★★★
質量$2.0\,\rm{kg}$,温度$800^\circ\rm{C}$の鉄片を温度$20^\circ\rm{C}$の油に投げ込み,焼き入れをおこなう. よく撹拌して平衡状態に達したとき,油の温度を$50^\circ\rm{C}$以下に保ちたい. この操作において必要となる油の質量を求めよ. ただし,鉄の比熱は$0.473\,\rm{kJ/(kg\cdot K)}$,油の比熱は$1.967\,\rm{kJ/(kg\cdot K)}$で一定とし,熱損失は無視する.

解答例・解説

鉄片が失う熱量と油が受ける熱量は等しいので, \[ 2.0×0.473×(800-50)=m×1.967×(50-20) \] \[m=\frac{2.0×0.473×750}{1.967×30}=12.02\,\rm{kg}\]

熱力学の基礎(9) 比熱

適用レベル   難易度: ★★★
銅の比熱$c_p\,\rm{[kJ/(kg\cdot K)]}$は温度$T\,\rm{[K]}$の関数として次式で与えられている. \[c_p=0.35+1.2\times 10^{-4}\times T\] $(1)$ このとき,銅$2.5\,\rm{kg}$を$300\,\rm{K}$から$800\,\rm{K}$まで加熱するのに必要な熱量$Q$を計算せよ. $(2)$ $300\,\rm{K}$から$800\,\rm{K}$の範囲における平均比熱$c_m$を求めよ.

解答例・解説

$(1)$ \[ \begin{align}Q&=m\int_{T_1}^{T_2}(a+bT)dT\\ &=m\left\{a(T_2-T_1)+b(T_2^2-T_1^2)/2\right\}\\ &=m(T_2-T_1)\left(a+\frac{b(T_2-T_1)}{2}\right)\\ &=2.5×500×(0.35+0.6×10^{-4}×1100)\\ &=520\,\rm{kJ} \end{align} \] $(2)$ \[Q=mc_m\Delta T\] \[c_m=\frac{Q}{m\Delta T}=\frac{520}{2.5×500}=0.416\,\rm{kJ/(kg・K)}\]