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例題集 / 機械 / 熱力学 (V-A-4 熱流体) / 熱力学の第一法則
熱力学の第一法則(1) 準静的過程
知識・記憶レベル
難易度: ★
系の中の物質が「平衡状態を保ちながら, 静かに状態変化が生じる仮想の可逆過程」を何と呼ぶか答えよ.(この過程では,外界の圧力と系の圧力がつり合いを保ったまま変化が生じる)
熱力学の第一法則(2) 第一法則の表現
知識・記憶レベル
難易度: ★
熱力学の第一法則として知られる次式を表現せよ.
ただし,$q$は系に与える作動流体$1\,\rm{kg}$当りの熱量,$w$は系が外部にする動作流体$1\,\rm{kg}$当りの仕事,$p$は圧力,$\upsilon$は比容積,$u$は比内部エネルギ,$h$は比エンタルピとする.
$(1)$
熱と仕事の等価性 $1\,\rm{kcal}=(\ \ a \ \ )\,\rm{kJ}$
$(2)$
(閉じた系の)熱力学の第一法則 $dq=(\ \ b\ \ )$
$(3)$
熱力学の第1基礎式 $dq=(\ \ c\ \ )$ [準静的過程;$u$を用いた表現]
$(4)$
熱力学の第2基礎式 $dp=(\ \ d\ \ )$ [準静的過程;$h$を用いた表現]
解答例・解説
$(a) \ 4.186$
$(b) \ du+dw$
$(c) \ du+ pd\upsilon$
$(d) \ dh-\upsilon dp$
熱力学の第一法則(3) 定常流動系の第一法則
知識・記憶レベル
難易度: ★
図に示すような流動系の動力発生システム(例えばタービン)において,質量流量$G\,\rm{[kg/s]}$の作動流体が,比エンタルピ$h_1\,\rm{[J/kg]}$,流速$w_1\,\rm{[m/s]}$,位置ヘッド$z_1\,\rm{[m]}$でシステムに入り,比エンタルピ$h_2\,\rm{[J/kg]}$,流速$w_2\,\rm{[m/s]}$,位置ヘッド$z_2\,\rm{[m]}$で排出され,定常状態を維持している.
このとき,システムには周囲から$\dot{Q}\,\rm{\textrm{[W]}}$の熱量が加えられているものとして,このシステムの出力$\dot{L}\,\rm{\textrm{[W]}}$を求めよ.
ただし,重力加速度を$g\,\rm{[m/s^2]}$とする.
%=image:/media/2015/01/22/142192379487350900.png:
解答例・解説
\[Gh_1+\frac{1}{2}Gw_1^2+Ggz_1+\dot{Q}=Gh_2+\frac{1}{2}Gw_2^2+Ggz_2+\dot{L}\]
\[\dot{L}=\dot{Q}+G(h_1-h_2)+\frac{1}{2}G(w_1^2-w_2^2)+Gg(z_1-z_2)\]
熱力学の第一法則(4) 熱量,仕事,内部エネルギ
理解レベル
難易度: ★★
圧力$0.6\,\rm{MPa}$,容積$1.5\,\rm{m^3}$の空気が一定圧力のもとで,$4.3\,\rm{m^3}$にまで膨張した.
その際の熱量$350\,\rm{kJ}$が加えられたとして,$(\ 1\ )$空気が外部に行った仕事$W$と$(\ 2\ )$内部エネルギの変化$\Delta U$を求めよ.
解答例・解説
$(1)$
\[
\begin{align}
W&=p\Delta V\\
&=0.6\times10^6 \times(4.3-1.5)\\
&=1.68\times10^6\,\rm{J}=1.68\,\rm{MJ}
\end{align}
\]
$(2)$
\[
\begin{align}
\Delta U&=Q-W\\
&=350\times10^3-1.68\times10^6\\
&=-1.33\times10^6\,\rm{J}=-1.33\,\rm{MJ}
\end{align}
\]
熱力学の第一法則(5) エンタルピ
理解レベル
難易度: ★★
質量$8\,\rm{kg}$の気体が,ゲージ圧力$400\,\rm{hPa}$,容積$10\,\rm{m^3}$のとき内部エネルギは$1.88\,\rm{MJ}$であったとする.
この状態の気体が有する$(\ 1\ )$エンタルピ$H$,ならびに$(\ 2\ )$比エンタルピ$h$を求めよ.
ただし,大気圧を$980\,\rm{hPa}$とする.
解答例・解説
$(1)$
\begin{align}H=U+pV&=1.88\times10^6+(400+980)\times10^2\times10\\&=3260000\,\rm{J}\\&=3.26\,\rm{MJ}\end{align}
$(2)$
\[\begin{align}h&=\frac{H}{m}=\frac{3260000}{8}\\&=407500\,\rm{J/kg}=0.408\,\rm{MJ/kg}
\end{align}\]
熱力学の第一法則(6) エンタルピ変化
理解レベル
難易度: ★★
ある作動流体$1\,\rm{kg}$が,図のように状態$1$から状態$2$に温度を一定に保ったまま状態変化したとする.
等温変化では,作動流体の比内部エネルギには変化がないものと考えられる.
このときの比エンタルピの変化$\Delta h$を求めよ.
%=image:/media/2015/01/22/142192341493830700.png:
解答例・解説
\begin{align}\Delta h=p_2\upsilon_2-p_1\upsilon_1&=1.8\times0.3-0.15\times2.8\\&=0.12\,\rm{J/kg}\end{align}
熱力学の第一法則(7) 蒸気タービン原動機
適用レベル
難易度: ★★★
ある蒸気タービンにおける入口,出口の条件が,次表のように与えられている.
蒸気の質量流量は$1.5\,\rm{kg/s}$,放熱損失は$8.5\,\rm{kW}$である.
このタービンの出力$\dot{L}$を求めよ.
ただし重力加速度$g$は$9.8\,\rm{m/s^2}$とする.
%=image:/media/2015/01/22/142192383737944700.png:
解答例・解説
\begin{align}\dot{L}&=\dot{Q}+G(h_1-h_2)+\frac{1}{2}G(w_1^2-w_2^2)+Gg(z_1-z_2)\\
&=-8.5\times 10^3+1.5\left\{\left(3137-2676\right)\times10^3+\frac{1}{2}\left(50^2-200^2\right)+9.8(6-3)\right\}\\
\dot{L}&=-8.8\times10^3+1.5\times 442279.4\\
&=654919\ \textrm{W}
\\&=655\ \textrm{kW}
\end{align}
熱力学の第一法則(8) 空気圧縮機
適用レベル
難易度: ★★★
空気圧縮機を用いて,毎分$6.0\,\rm{m^{3}}$の空気($760\,\rm{mmHg}$,$15^\circ{\rm{C}}$における空気)を圧縮する場合を考える.
次の問いに答えよ.
$(1)$
空気のガス定数$R$を$287\,\rm{J/(kg\cdot K)}$として,この圧縮機を通る空気の質量流量$G\,[\rm{kg/s}]$を求めよ.
$(2)$
この空気圧縮機の動力$\dot{L}$が$7\,\rm{kW}$であるとき,圧縮機を通過する空気の比エンタルピの変化$\Delta h$を求めよ.
ただし,熱損失,位置エネルギーと運動エネルギーの変化は無視する.
解答例・解説
$(1)$
\[
\begin{align}
p=\frac{1}{v}
=\frac{p}{RT}
&=\frac{0.1013\times10^6}{287\times288.15}\\
&=1.2249\, \rm{kg/m}^3\\
\end{align}\]
\[\begin{align}
m=pv
&=1.2249\times6.0\\
&=7.3495\,\rm{kg}\\
\end{align}\]
\[
G=\frac{m}{60\,\rm{s}}=0.1225\,\rm{kg/s}
\]
$(2)$
\[
-\dot{L}=G\Delta h\]
\[
\begin{align}
\Delta h=-\frac{\dot{L}}{G}
&=-\frac{7\times10^3}{0.12249}\\
&=-57.147\times10^3\\
&=-57.1\,\rm{kJ/kg}
\end{align}\]