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例題集 / 機械 / 流れ学 (V-A-4 熱流体) / 管路内の流れ

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難易度

管路内の流れ(1) ムーディー線図

知識・記憶レベル   難易度:
ムーディー線図を用いて管摩擦係数を求めることができる. $\rm{Moody}$線図より,管摩擦係数$\lambda$を求めなさい. $(1)$ $\epsilon / d = 0.01$,$Re=4\times10^5$ $(2)$ $\epsilon / d = 0.0009$,$Re=9\times10^6$ $(3)$ 流体力学的に滑らかな場合,$Re=1.5\times10^5$

解答例・解説

$(1)$ \[ \lambda=0.038 \] $(2)$ \[ \lambda=0.019 \] $(3)$ \[ \lambda=0.0165 \]

管路内の流れ(2) ダルシー•ワイズバッハの式

知識・記憶レベル   難易度: ★★
$25\rm{^\circ C}$の空気が平均流速$\upsilon=30\,\rm{m/s}$で,内径$d=10\,\rm{cm}$のなめらかな水平管内を流れている.管長$l=10\,\rm{m}$あたりの圧力損失を求めよ. $(1)$ レイノルズ数を示しなさい.また,層流か乱流を判別しなさい. ただし,臨界レイノルズ数は$2340$とする. $(2)$ 管摩擦係数$\lambda$を示しなさい. ただし使用した式の名称も示すこと. $(3)$ ダルシ―・ワイズバッハの式を用いて,圧力損失$\Delta p$を示しなさい. [資料] 管摩擦係数$\lambda$を求める実験式 ① $Re<2320$(層流域) ハーゲン・ポアズイユの法則 $\lambda=\frac{64}{Re}$ ② $Re=3\times10^3~1\times10^5$ ブラジウスの式 $\lambda=0.3164Re^{-1/4}$ ③ $Re=1\times10^5~3\times10^6$ ニクラゼの式 $\lambda=0.0032+0.221Re^{-0.237}$

解答例・解説

$25\rm{^\circ C}$の空気$ \ \Longrightarrow \ $$\rho=1.184\,\rm{kg/m^3}$,$\mu=1.832\times10^{-5}\,\rm{Pa\cdot s}$ $(1)$ \[ \begin{align} Re=\frac{\rho\upsilon d}{\mu} &=\frac{1.184\,\rm{kg/m^3}\times30\,\rm{m/s}\times10\times10^{-2}\,\rm{m}}{1.832\times10^{-5}\,\rm{Pa\cdot s}}\\ &=1.93\times10^5 \end{align}\] \[ 2340以上なので乱流 \] $(2)$ $Re=1\times10^5~3\times10^6$の範囲にあるので \[ \begin{align} \lambda &=0.0032+0.221\ Re^{-0.237}\\ &=0.0032+0.221\times\left(1.93\times10^5\right)^{-0.237}\\ &=0.0156 \end{align} \] $(3)$ \[ \begin{align} \Delta P=\lambda\frac{l}{d}\frac{\rho\upsilon^2}{2} &=0.0156\times\frac{10\,\rm{m}}{10\times10^{-2}\,\rm{m}}\times\frac{1.184\,\rm{kg/m^3}\times\left(30\,\rm{m/s}\right)^2}{2}\\ &=831\,\rm{Pa} \end{align}\]

管路内の流れ(3) 層流と乱流

知識・記憶レベル   難易度:
次の文にある$\left(\  \ \right)$を埋めなさい. 実在する流体は,必ず$\left(\ 1\ \right)$という性質を有している.このような流体を$\left(\ 1\ \right)$流体と呼ぶ.この$\left(\ 1\ \right)$流体が一方向に秩序正しく層状を成して運動している状態を$\left(\ 2\ \right)$流という.流体は,流れの中に速度差があると,層間の摩擦により$\left(\ 3\ \right)$応力が生じる.$\left(\ 2\ \right)$流の場合は,$\left(\ 3\ \right)$応力$\tau$が$\left(\ 4\ \right)$の$\left(\ 1\ \right)$法則に従うことが知られており, \[ \tau=\left(\ 5\ \right)\frac{\partial u}{\partial y} \] と表すことができる. 一方,流体粒子が複雑に交じり合いながら,不規則な$\left(\ 6\ \right)$運動をする流れの状態を$\left(\ 7\ \right)$流という.$\left(\ 8\ \right)$は,径の異なるガラス管を用いた実験により,ある流速になると流れが$\left(\ 2\ \right)$流から$\left(\ 7\ \right)$流に変わることを実験により明らかにした.このときの流速を$\left(\ 9\ \right)$流速といい,$\left(\ 2\ \right)$流から$\left(\ 7\ \right)$流に変わる現象を$\left(\ 10\ \right)$と呼ぶ.$\left(\ 8\ \right)$の実験から,流れの様子は,ある無次元数によって整理することができることが明らかにされた.この無次元数を$\left(\ 8\ \right)$数といい,次のように表すことができる. \[ Re=\frac{\left(\ 11\ \right)\left(\ 12\ \right)\left(\ 13\ \right)}{\left(\ 5\ \right)}=\frac{\left(\ 12\ \right)\left(\ 13\ \right)}{\left(\ 14\ \right)} \] この式で$\left(\ 12\ \right)$は代表速度,$\left(\ 13\ \right)$は代表長さ,$\left(\ 11\ \right)$は密度,$\left(\ 5\ \right)$は粘性係数,$\left(\ 14\ \right)$は動粘性係数をそれぞれ表している. また,$\left(\ 15\ \right)$の実験によれば,$\left(\ 10\ \right)$現象が起きる$\left(\ 8\ \right)$数は2340程度になることが実験によって明らかにされている. この$\left(\ 8\ \right)$数のことを,特に$\left(\ 9\ \right)$$\left(\ 8\ \right)$数$Re_c$と呼ぶ.

解答例・解説

$\left(1\right)$ 粘性 $\left(2\right)$ 層 $\left(3\right)$ 剪断 $\left(4\right)$ ニュートン $\left(5\right)$ $\mu$ $\left(6\right)$ 渦 $\left(7\right)$ 乱 $\left(8\right)$ レイノルズ $\left(9\right)$ 臨界 $\left(10\right)$ 遷移 $\left(11\right)$ $\rho$ $\left(12\right)$ $\upsilon$ $\left(13\right)$ $d$ $\left(14\right)$ $\nu$ $\left(15\right)$ シーラ

管路内の流れ(4) 管内の層流流れ

知識・記憶レベル   難易度: ★★★
層流の円管内流れについて,以下の問いを答えなさい. $(1)$ 下図は,半径$r_0$の円管内にある微小円柱(半径$r$,長さ$dx$)を表している. 図中の$[a]$に当てはまる適切な式を示しなさい. $(2)$ 式$(3)$は,下図に示した微小円柱の力の釣り合いを表した式である. 空欄に当てはまる適切な式を導出しなさい. ただし,式$(3)$中の$[a]$は下図の$[a]$と対応している. \[ ([b])p+([c])\left(p+([a])\right)-([d])\tau=0\hspace{30px}\cdots(3) \] %=image:/media/2015/01/21/142185094111375400.png: $(3)$ 問$(2)$で得られた数式を変形し,せん断応力$\tau$に関する式を示しなさい. ただし,「圧力$p$は$x$方向のみの関数とする」という仮定を考慮すること. $(4)$ 式$(1)$に示される粘性法則は,壁面からの距離$y$に関する微分になっている. 式$(1)$を半径$r$に関する微分の式に変形し,その式を示しなさい. ただし,「速度$u$は$y$方向のみの関数とする」という仮定を考慮すること. $(5)$ 問$(3)$と$(4)$で得られた式を用いて,$du/dr$に関する式を示しなさい. $(6)$ 式$(5)$で得られた式を積分し,$u$に関する式を導出しなさい ただし,積分定数は$C$とし,導出の仮定を必ず示すこと. $(7)$ 積分定数$C$ を決定するための境界条件を$1$つ示しなさい. $(8)$ 問$(6)$の$u$ に関する式を,問$(7)$の境界条件を考慮して積分定数を用いずに示しなさい. $(9)$ 問$(8)$で得られた$u$ の式に関して,最大速度を得る条件は極値が$0$ になることである. この関係を用いて,最大流速が得られる$r$と最大流速$u_{max}$ を示しなさい. $(10)$ 円管路内を流れる流量$Q$ を求めたい. 以下の$(\rm{I})$から$(\rm{IV})$に当てはまる適切な式を示しなさい. 円管内に下図 に示すような微小な円環を考える.この面積は, \[ dA=(\rm{I})dr\hspace{30px}\cdots(4) \] の形で示すことができる.管路全体を通る流量$Q$は,式$(4)$に問$(6)$で得られた式を代入し,$r = 0$ から$\left(\rm{II}\right)$まで積分すると求めることができる. 導出の過程を簡略的に書けば,以下のようになる. \[ Q=\int_0^{(\rm{II})}dQ=\int_0^{(\rm{II})}u\cdot dA=\int_0^{(\rm{II})}u\cdot (\rm{I})dr=\frac{\pi}{(\rm{III})}\left(-\frac{dp}{dx}\right)(\rm{II})^{(\rm{IV})}\cdots(5) \] %=image:/media/2015/01/21/142185094212356300.png:

解答例・解説

$(1)$ \[ [a] \ \frac{\partial p}{\partial x}dx \] $(2)$ \[ [b] \ \pi r^2 \hspace{20px} [c]\ \pi r^2 \hspace{20px} [d]\ \tau=-u\left(\frac{du}{dr}\right) \] $(3)$ \[ \tau=\frac{1}{2}\left(-\frac{dp}{dx}\right)r \] $(4)$ \[ \tau=-u\left(\frac{du}{dr}\right) \] $(5)$ \[ \frac{du}{dr}=-\frac{1}{2\mu}\left(-\frac{dp}{dx}\right)r \] $(6)$ \[\begin{align} u=\int\frac{du}{dr}dr &=\int\left\{-\frac{1}{2\mu}\left(-\frac{dp}{dx}\right)r\right\}dr\\ &=-\frac{1}{4\mu}\left(-\frac{dp}{dx}\right)r^2+C \end{align}\] $(7)$ \[ r=r_0においてu=0 \] $(8)$ \[ u=\frac{1}{4\mu}\left(-\frac{dp}{dx}\right)\left({r_0}^2-r^2\right) \] $(9)$ \[ r=0\] \[ u_{max}=\frac{1}{4\mu}\left(-\frac{dp}{dx}\right){r_0}^2 \] $(10)$ \[ (\rm{I})\ 2\pi r \hspace{20px} (\rm{II})\ r_0 \hspace{20px} (\rm{III})\ 8\mu \hspace{20px} (\rm{IV})\ 4 \]

管路内の流れ(5) 管内の乱流流れ

知識・記憶レベル   難易度: ★★★
管半径$R$の円管内を物体が乱流状態で流れている. 管中央における流速を$u_{max}$,管壁面からの距離を$y$としたとき,速度分布は$1/n$乗則で近似し,$u=u_{max}(y/R)^{1/n}$で表すことができる. 次の問いに答えなさい. $(1)$ 流量$Q$の式を導出しなさい. ただし,導出の過程を必ず示すこと. $(2)$ 断面平均流速$u_{ave}$の式を導出しなさい. ただし,導出の過程を必ず示すこと.

解答例・解説

$(1)$ \[ \begin{align} Q&=\int_AudA\\ &=\int_o^Ru2\pi rdr\\ &=\int_o^RU_{max}(\frac{Rr}{R})^{1/n}2\pi rdr\\ &=\frac{2\pi U_{max}}{R^{\frac{1}{n}}}\int_o^Rr(R-r)^{1/n}dr \end{align}\] \[\begin{align}\int_o^Rr(R-r)^{1/n}dr&=\left[r\cdot (-1)\frac{1}{\frac{1}{n}+1}(R-r)^{\frac{1}{n}+1}\right]_o^R\\ &-\int_o^R(-1)\frac{1}{\frac{1}{n}+1}(R-r)^{\frac{1}{n}+1}dr\\ &=-\frac{n}{n+1}\left[r(R\cdot r)^{\frac{n+1}{n}}\right]_o^R+\int_o^R\frac{n}{n+1}(R-r)^{\frac{n+1}{n}}dr\\ &=\frac{n}{n+1}\left[\frac{(-1)}{\frac{n+1}{n}+1}(R-r)^{\frac{n+1}{n}+1}\right]_o^R\\ &=\frac{n}{n+1}\frac{n}{2n+1}\left[- (R-r)^{\frac{2n+1}{n}}\right]_o^R\\ &=\frac{n^2}{(n+1)(2n+1)}R^{\frac{2n+1}{n}}\end{align}\] \[\begin{align} Q&=\frac{2\pi U_{max}}{R^{1/n}}\times\frac{n^2}{(n+1)(2n+1)}R^{\frac{2n+1}{n}}\\ &=2\pi u_{max}R^2\frac{n^2}{(n+1)(2n+1)} \end{align}\] $(2)$ \[ \begin{align} \upsilon=\frac{Q}{A}&=\frac{1}{\pi R^2}2\pi U_{max}R^2\frac{n^2}{(n+1)(2n+1)}\\ &=\frac{2U_{max}n^2}{(n+1)(2n+1)} \end{align}\]