数学・工学事典

微分方程式

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微分方程式

% $x$ の関数 $y$ について, $x$, $y$ およびその導関数 $y'$, $y''$, \ldots, $y^{(n)}$ を含む方程式 % \begin{align*} F\left(x,y,y', y'', \ldots, y^{(n)}\right)=0 \end{align*} % を \ommindex{微分方程式}{びぶんほうていしき}という。 微分方程式は必ずしも $x$, $y$ を含む必要はないが, 少なくとも1つの導関数を含むものとする。 微分方程式を満たす関数 $y=f(x)$ を \ommindex{微分方程式の解}{びぶんほうていしきのかい}といい, 解を求めることを, この\ommindex{微分方程式を解く}{びぶんほうていしきをとく}という。 このとき, 含まれる導関数の最高次数を微分方程式の \ommindex{階数}{かいすう}といい, 階数が $n$ である微分方程式を \ommindex{$\boldsymbol{n}$階微分方程式}{えぬかいびぶんほうていしき}という。 一般に, $n$ 階微分方程式は $n$ 個の任意定数を含む。 微分方程式の階数と同じ個数の任意定数を含む解を \ommindex{一般解}{いっぱんかい}という。 一般解のうちの1つを\ommindex{特殊解}{とくしゅかい}という。 特殊解は, 何らかの条件で任意定数を決定することによって得られる。 この条件うち, $x=a$ における値 $f(a)$, $f'(a)$, \ldots, $f^{(n)}(a)$ によるものを \ommindex{初期条件}{しょきじょうけん}, $x=a$, $x=b$ など異なる $x$ における値 $f(a)$, $f(b)$, \ldots などによるものを \ommindex{境界条件}{きょうかいじょうけん}という。 微分方程式の解であるが, 一般解には含まれないものを \ommindex{特異解}{とくいかい}という。 %

解曲線

% 微分方程式の解は関数 $y=f(x)$ であり, そのグラフを微分方程式の \ommindex{解曲線}{かいきょくせん}という。 1階微分方程式 % \begin{align*} y'=F(x,y) \end{align*} % は, 点 $(x,y)$ における解曲線の勾配(傾き)についての 条件と考えることができる。 与えられた微分方程式によって, 平面上の各点に, その点を通る解曲線の勾配を小さな線分を用いて 記入することができる。 このような図を\ommindex{勾配の場}{ぼうばいのば}といい, 点 $(a,b)$ を通り記入された線分に接するように解曲線を記入していく方法を \ommindex{等傾斜法}{とうけいしゃほう}という。 %=image:/media/2014/08/02/140698680797844300.png: