数学・工学事典

等式と不等式

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等式の性質

恒等式と方程式

% $x^2-1=(x-2)(x+2)$ のように, 「すべての $x$ について成り立つ」等式を \ommindex{恒等式}{こうとうしき}といい, $x^2-1=0$ のように, 「ある $x$ についてだけ成り立つ(この場合には $x=\pm 1$)」等式を \ommindex{方程式}{ほうていしき}という。 方程式が成り立つような $x$ の値を \ommindex{方程式の解}{ほうていしきのかい}という。 方程式を解く対象となる文字(上の説明では $x$)を \ommindex{未知数}{みちすう}という。 %

不等式の性質

% 大小関係を表す記号を\ommindex{不等号}{ふとうごう}という。 不等号には $<$, $>$, $\le$, $\ge$ があり, それぞれの意味は次の通りである。 % \begin{enumerate} \item[$\bullet$] $a<b,\quad b>a$:$b$ は $a$ より大きい \item[$\bullet$] $a\le b, \quad b\le a$: $b$ は $a$ と等しいまたは $b$ は $a$ より大きい \end{enumerate} % 不等号で結ばれた式を\ommindex{不等式}{ふとうしき}という。 不等式は次の性質をもつ。 % \begin{enumerate} \item[(1)] $A<B$ ならば $A+C<B+C,\quad A-C<B-C$ \item[(2)] $A<B$, $C>0$ ならば $AC<BC$ $A<B$, $C<0$ ならば $AC>BC$, \item[(3)] $A<B$, $B<C$ ならば $A<C$ \end{enumerate} % %

条件付き不等式と絶対不等式

% $x^2+1>0$ のように, 「すべての実数 $x$ について成り立つ」不等式を \ommindex{絶対不等式}{ぜったいふとうしき}といい, $x^2-1<0$ のように, 「ある $x$ についてだけ成り立つ(この場合には $-1<x<1$)」不等式を \ommindex{条件付き不等式}{じょうけんつきふとうしき}という。 条件付き不等式が成り立つような $x$ の範囲を \ommindex{不等式の解}{ふとうしきのかい}という。 %

相加・相乗平均の不等式

% 正の数 $a$, $b$ に対して % \begin{align*} m_1=\frac{a+b}{2} \end{align*} % を $a$, $b$ の\ommindex{相加平均}{そうかへいきん}という。 また, % \begin{align*} m_2=\sqrt{ab} \end{align*} % を $a$, $b$ の\ommindex{相乗平均}{そうじょうへいきん}という。 任意の正の数 $a$, $b$ に対して, 相加平均は相乗平均以上である。 すなわち, 不等式 % \begin{align*} \frac{a+b}{2}\ge \sqrt{ab} \end{align*} % が成り立つ。 この不等式を \ommindex{相加・相乗平均の不等式}{そうか・そうじょうへいきんのふとうしき}という。

連立方程式

連立不等式