数学・工学事典

弧度法

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弧度法

% 角の大きさの単位で, 半径と弧の長さがともに $1$ である扇形の中心角の大きさを $1$ と定める方法を \ommindex{弧度法}という。 弧度法の単位は\ommindex{ラジアン}{らじあん} ($[\text{rad}]$) であるが, この単位は省略する。 これに対して, 平角を $180^{\circ}$ と定める方法を \ommindex{60分法}{ろくじゅっぷんほう}という。 60分法の単位 ${}^{\circ}$ は省略できない。 半径 $1$ の半円の弧の長さは $\pi$ であるから, 弧度法と60分法の間には次の関係がある。 % \begin{align*} 180^{\circ}=\pi\ [\text{rad}] \end{align*} % %

一般角

% $(X,Y)$ 座標が定められた座標平面の, 原点を端点とする半直線を\ommindex{動径}{どうけい}という。 動径は原点を中心に回転するものとし, 時計の針と逆の回転を\ommindex{正の回転}{せいのかいてん}, 時計の針と同じ方向の回転を\ommindex{負の回転}{ふのかいてん}と定める。 動径の回転した角を表すとき, 角の範囲は $2\pi$ ($360^{\circ}$, 1回転)を超えた角, 負の角を考える必要がある。 このように, 角の範囲を実数全体に広げたものを\ommindex{一般角}{いっぱんかく}という。 実数 $\theta$ に対して, 動径が, $X$ 軸の正の部分と重なった位置から $\theta$ だけ 回転した位置にあるとき, この動径を \ommindex{角$\boldsymbol{\theta}$に対する動径}{かくしーたにたいするどうけい}という。 動径の位置が与えられたとき, その動径が $X$ 軸の正の部分と重なった位置から それだけ回転したかを表す角を, \ommindex{動径が表す角}{どうけいがあらわすかく}という。 動径の位置からは何回転したかはわからないので, 動径が表す角は % \begin{align*} \theta=\theta_0+2n\pi\quad (0\le \theta<2\pi, \mbox{$n$ は整数}) \end{align*} % のように表す。 $n$ は回転角で, $n<0$ のときには負の回転を表す。 %