数学・工学事典

因数分解

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因数

$A$, $B$ を1次以上の多項式とする。 多項式 $Q$, $R$ が % \begin{align*} A=BQ+R \quad (\mbox{$R$ の次数} r < \mbox{$Q$ の次数}) \end{align*} % を満たすとき, $Q$ を $A$ を $B$ で割ったときの\ommindex{商}{しょう}, $R$ を $A$ を $B$ で割ったときの\ommindex{余り}{あまり} または\ommindex{剰余}{じょうよ}という。 $A$ を $B$ で割ったときの余りが $0$ であるとき, $A$ は $B$ で\ommindex{割りきれる}{わりきれる}という。 $A$ が $B$ で割りきれるとき, すなわち, $A=BQ$ という関係が成り立つとき, $B$ および $Q$ を $A$ の\ommindex{因数}{いんすう}という。 2つの多項式 $A$, $B$ が, 1次以上の多項式 $C$ を用いて, $A=A'C$, $B=B'C$ と書けるとき, $C$ を $A$, $B$ の\ommindex{共通因数}{きょうつういんすう}という。 共通因数をもたない多項式は \ommindex{互いに素}{たがいにそ}であるという。

因数分解

多項式 $P$ を, 多項式 $A$, $B$ を用いて $P=AB$ と積の形で表すことを, $P$ を\ommindex{因数分解}{いんすうぶんかい}するという。 このとき, $A$, $B$ は $P$ の因数である。 % 次のような因数分解の公式が成り立つ。 % \begin{enumerate} \item[(1)] $a^2\pm 2ab+b^2=(a\pm b)^2$ \item[(2)] $a^3\pm 3a^2b+3ab^2\pm b^3=(a\pm b)^3$ \item[(3)] $a^2-b^2=(a-b)(a+b)$ \item[(4)] $a^3\pm b^3=(a\pm b)(a^2\mp ab+b^2)$ \end{enumerate} %