数学・工学事典

対数

% $a$ は $1$ と異なる正の定数とする。 $y=a^x$ を満たす $x$ の値を $x=\log_{a}{y}$ とかき, これを $a$ を\ommindex{底}{てい}とする $y$ の \textbf{対数}{たいすう}という。 また, $y$ を $\log_{a}{y}$ の\ommindex{真数}{しんすう}という。 真数はつねに正である。 これを\ommindex{真数条件}{しんすうじょうけん}という。 対数の値を求める上で, 次の式は重要である。 % \begin{align*} \log_{a}a^{p}=p \end{align*} %%

対数の計算公式

% $a$, $M$, $N$ を $a\ne 1$ を満たす正の数とするとき, 次の性質が成り立つ。 % \begin{enumerate} \item[(1)] $\log_{a}{M}+\log_{a}{N}=\log_{a}{MN}$ \item[(2)] $\displaystyle \log_{a}{M}-\log_{a}{N}=\log_{a}\frac{M}{N}$ \item[(3)] $r\log_{a}{M}=\log_{a}{M^r}$ \end{enumerate} % %

底の変換公式

% $a$, $M$ を $a\ne 1$ を満たす正の数とするとき, $1$ と異なる任意の正の数 $b$ に対して, 次の性質が成り立つ。 % \begin{align*} \log_{a}{M}=\frac{\log_{b}{M}}{\log_{b}{a}} \end{align*} % この式は, 左辺の対数の底 $a$ を $b$ に変えるものとなっており, これを\ommindex{底の変換公式}{ていのへんかんこうしき}という。 %

常用対数

% 底を $10$ とする対数を\ommindex{常用対数}{じょうようたいすう}という。 $1\le M<10$ を真数とする対数の値 $\log_{10}{M}$ の値は 一覧表となっており, これを\ommindex{常用対数表}{じょうようたいすうひょう}という。 常用対数表は数値計算に用いられる。 たとえば, $M=3^{100}$ を計算したいとする。 常用対数表から, $\log_{10}{3}≒0.4771$ であり, $\log_{10}{5.13}≒0.71$ であることがわかるから, 対数の性質を用いると % \begin{align*} \log_{10}{3}^{100} &= 100\log_{10}{3} \\ &≒ 100\cdot 0.4771 \\ &= 47.71 \\ &= 47+0.71 \\ &≒ \log_{10}{10^{47}}+\log_{10}{5.13} \\ &= \log_{10}{\left(5.13×10^{47}\right)} \end{align*} % が得られる。 したがって, $3^{100}≒5.13×10^{47}$ である。 %