例題集

管型反応器における反応器と反応速度

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管型反応器における、A $+$ 2B $\to$ P で示される液相反応について、 A, Bのモル濃度をそれぞれ$C_{A}$, $C_{B}$とし、 その初期値をそれぞれ$C_{A 0},\,C_{B 0}$とする。 Aの反応速度が、$k$を反応速度定数として $$r_{A}=-kC_{A}C_{B}$$ と表されるとき、 $r_{A}$をAの反応率$x_{A}$を用いた式で表せ。
{\bf 方針} \begin{enumerate} \item (1) 初期値である$C_{A 0}, C_{B 0}$は定数である。 \item (2) A, Bのモル濃度$C_{A}, C_{B}$は、 反応時間$t$の経過につれ減少する関数である。 \item (3) Aの反応率$x_{A}$は、$\displaystyle x_{A}(t)=\frac{C_{A 0}-C_{A}(t)}{C_{A 0}}$ により定義される。 \item (4) 与えられた反応式では、Aが1mol 反応すると、Bは2mol反応する。 \end{enumerate} {\bf 解答} Aの反応率の定義から \[x_{A}(t)=\frac{C_{A 0}-C_{A}(t)}{C_{A 0}} \qquad したがって\qquad C_{A}(t)=C_{A 0}(1-x_{A}(t)) \] である.また、与えられた反応式より、 Aが 1mol 反応するとBは 2mol 反応するので、 \[C_{B}(t)=C_{B 0}-2C_{A 0}x_{A}(t) =C_{A 0}\left(\frac{C_{B 0}}{C_{A 0}}-2x_{A}(t)\right) \] である.したがって、反応速度$r_{A}$は反応率$x_{A}$を用いて \[r_{A}=-kC_{A}C_{B} =-kC_{A 0}^2(1-x_{A})\left(\frac{C_{B 0}}{C_{A 0}}-2x_{A}\right)\] と表される.