数学・工学事典

三角比

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三角比

% $\bigtriangleup\text{ABC}$ は, $\angle\text{C}$ を直角とする直角三角形であるとする。 $\angle\text{A}=\theta$ とし, $\text{BC}=a$, $\text{CA}=b$, $\text{AB}=c$ とする。 このとき, 角 $\theta$ の\ommindex{正弦}{せいげん}, \ommindex{余弦}{よげん}, \ommindex{正接}{せいせつ}を, それぞれ % \begin{align*} \sin{\theta}=\frac{a}{c} , \quad \cos{\theta}=\frac{b}{c} , \quad \tan{\theta}=\frac{b}{a} \end{align*} % と定める。 $\sin{\theta}$, $\cos{\theta}$, $\tan{\theta}$ を総称して\ommindex{三角比}{さんかくひ}という。 三角比を $0^{\circ}\le \theta\le 180^{\circ}$ に対して定めるために, さらに, 次の性質をもつものとする。 % \begin{enumerate} \item[(1)] $\sin{0^{\circ}}=0, \quad \cos{0^{\circ}}=1, \quad \tan{0^{\circ}}=0$ \item[(2)] $\sin{90^{\circ}}=1, \quad \cos{90^{\circ}}=0$ \item[ ] $\tan{90^{\circ}}$ は定義しない。 \item[(3)] $\sin{(180^{\circ}-\theta)}=\sin{\theta}$ \item[ ] $\cos{(180^{\circ}-\theta)}=-\cos{\theta}$ \item[ ] $\tan{(180^{\circ}-\theta)}=-\tan{\theta}$ \end{enumerate} % %

三角比の基本公式

自然数 $n$ に対して, $(\sin{\theta})^n$, $(\cos{\theta})^n$, $(\tan{\theta})^n$ をそれぞれ $\sin^n{\theta}$, $\cos^n{\theta}$, $\tan^n{\theta}$ と書く。 三角比の定義から, $\theta\ne 90^{\circ}$ に対して % \begin{align*} \tan{\theta}=\frac{\sin{\theta}}{\cos{\theta}} \end{align*} % が成り立つ。 また, 三平方の定理から % \begin{align*} \sin^2{\theta}+\cos^2{\theta}=1 , \quad \tan^2{\theta}+1=\frac{1}{\cos^2{\theta}} \end{align*} % が成り立つ。 さらに, $0^{\circ}<\theta<90^{\circ}$ のとき, % \begin{align*} & \sin(90^{\circ}-\theta)=\cos{\theta} , \quad \cos(90^{\circ}-\theta)=\sin{\theta} \\ & \tan(90^{\circ}-\theta)=\frac{1}{\cos{\theta}} \end{align*} % が成り立つ。 %