{\bf 【方針】}
\item $Re$ も $f$ も変数である.
\item 与えられた表と, 関係式 $Re=\displaystyle\frac{D u \rho}{\mu}$, $F=\displaystyle\frac{2fu^2 L}{D}$ から, $Re$ と $f$ の対応表を作る.
\item $f=a Re^b$ の両辺の常用対数 ($10$を底とする対数) をとり,
$\log f=\log a+b\log Re$ として, 横軸に$\log Re$, 縦軸に$\log f$をとってプロットする.
この直線の傾きと切片をグラフから読み取って, $a$ と $b$ を求める.
\item $D = 2.8\,\textrm{cm}=0.028\,\textrm{m}$ として計算する.
{\bf 【解答】}
$f=a Re^b$ の両辺の常用対数をとると,
$$\log f=\log a+b \log Re$$
となる.
ここで, $F=\displaystyle\frac{2fu^2 L}{D}$ より, $f=\displaystyle\frac{FD}{2u^2 L}$ であるので,
$Re=\displaystyle\frac{D u \rho}{\mu}$ と合わせて $\log Re$ と $\log f$ の対応表を作ると
$$\begin{array}{|c|*{5}{c|}}
\hline
u\, \textrm{[m$/$s]}
& 0.29 & 0.46 & 0.77 & 1.21 & 1.68
\\\hline
F\, \textrm{[J$/$kg]}
& 0.25 & 0.56 & 1.38 & 3.05 & 5.45
\\\hline
Re\, \textrm{[$-$]} &
8.12\times10^3 & 1.29\times10^4 & 2.16\times10^4 & 3.34\times 10^4 & 4.70\times10^4 \\\hline
f\, \textrm{[$-$]} &
8.32\times 10^{-3} & 7.41\times 10^{-3} & 6.52\times 10^{-3} & 5.83\times 10^{-3} & 5.38\times 10^{-3}
\\\hline
\log Re &
3.91 & 4.11 & 4.33 & 4.53 & 4.67
\\\hline
\log f &
-2.08 & -2.13 & -2.19 & -2.23 & -2.27
\\\hline
\end{array}$$
表の計算値から, 横軸に$\log Re$, 縦軸に$\log f$ をとってプロットすると, 傾き$ b$, 切片$\log a$ の直線が得られる.
%=image:/media/2014/12/29/141986054128035300.jpg:
グラフから, この直線の傾きは$-0.25$, 切片は$-1.1$である.
$\log a=-1.1$ なので, $a=10^{-1.1}=0.079$, $b=-0.25$ となる.
したがって,
$$f=0.079 Re^{-0.25}$$
【注意】
\item $\log_{10}x=\log x$ と書く. これを常用対数という.
\item $\ln MN=\ln M+\ln N$, $\ln M^p=p\ln M$ (対数の性質)
\item $\log_a M=r$ $\iff$ $M=a^r$