{\bf 【方針】}
\item (1) は $R=R_c$ (一定) として, $R=-\displaystyle\frac{M}{A}\frac{dW}{dt}$ に代入し, 定積分により$t_c$ を求める式を作る.
\item (2) は $R=R_c\,\displaystyle\frac{W-W_e}{W_c-W_e}$ を, $R=-\displaystyle\frac{M}{A}\frac{dW}{dt}$ に代入し, 定積分により$t_f$ を求める式を作る.
$t=0$ のとき $W=W_c$, $t=t_f$ のとき, $W=W_f$ とする.
\item $M$, $A$ は定数と考える.
{\bf 【解答】}
(1) 恒率乾燥期間の乾燥速度$R_c$は一定値なので,
$$-\frac{M}{A}\frac{dW}{dt}=R_c$$
変数を分離して,
$$dt=-\frac{M}{A}\frac{dW}{R_c}$$
与えられた区間で定積分すると,
$$\int_0^{t_c}\,dt=-\frac{M}{A}\int_{W_0}^{W_c}\frac{dW}{R_c}$$
$$\Bigl[t\Bigr]_0^{t_c}=-\frac{M}{R_cA}\Bigl[W\Bigr]_{W_0}^{W_c}$$
$$t_c=-\frac{M(W_c-W_0)}{R_cA}=\frac{M(W_0-W_c)}{R_cA}$$
したがって,
$t_c=\displaystyle\frac{M(W_0-W_c)}{R_cA}$
である.
(2) $R=-\displaystyle\frac{M}{A}\frac{dW}{dt}$ より,
$$dt=-\frac{M}{A}\frac{dW}{R}$$
減率乾燥期間の乾燥速度を代入すると,
$$dt=-\frac{M}{A}\frac{dW}{R_c\,\frac{W-W_e}{W_c-W_e}}$$
与えられた区間で定積分すると,
$$\int_0^{t_f}\,dt=-\frac{M}{A}\int_{W_c}^{W_f}\frac{dW}{R_c\,\frac{W-W_e}{W_c-W_e}}$$
となるから,
\begin{align*}
t_f&=-\frac{M(W-W_e)}{R_cA}\Bigl[\ln|W-W_e|\Bigr]_{W_c}^{W_f}\\
&=-\frac{M(W-W_e)}{R_cA}(\ln|W_f-W_e|-\ln|W_c-W_e|)\\
&=\frac{M(W-W_e)}{R_cA}\ln\frac{W_c-W_e}{W_f-W_e}
\end{align*}
したがって,
$t_f=\displaystyle\frac{M(W-W_e)}{R_cA}\ln\frac{W_c-W_e}{W_f-W_e}$
である.
【注意】
\item $\displaystyle\int\,dx=x+C$, $\displaystyle\int\displaystyle\frac1{x+a}\,dx=\ln |x+a|+C$ (不定積分)
\item $F'(x)=f(x)$ のとき, $\displaystyle\int_a^b f(x)\,dx=\Bigl[F(x)\Bigr]_a^b=F(b)-F(a)$ (定積分)
\item $\log_e x=\ln x$ と書く. (自然対数)
\item $\ln M-\ln N=\ln\displaystyle\frac{M}{N}$ (対数の性質)